Salesforceは、NewtonXと提携し、200人のCHRO(最高人事責任者)、CPO(最高人材責任者)およびグローバル人事リーダーを対象に、オンラインでダブルブラインド調査を実施。結果を発表した。

数字で見る主な調査結果
人事責任者は、デジタル労働力が未来を担うものであり、その統合が自分たちにとって重要な役割だと考えている
- 80%の人事責任者が、今後5年以内に大半の職場で人間とAIエージェント・デジタル労働力が一緒に働くようになると予測
- 86%のCHROが、既存の人材とデジタル労働力の統合は職務上重要だと認識
- CHROは、現在15%のAIエージェントの導入率が、2027年までに64%まで増加すると予測(327%の増加)
- CHROは、自律型AIの完全導入後、従業員1名あたり平均30%の生産性向上と19%の人件費削減を見込む(OECDの平均年収に基づき、従業員1名あたり年間1万1,064ドルの削減)
※試算は、2023年のOECD平均年収(5万8,232ドル)の19%に基づく
CHROは、従業員をリスキリングし、AIエージェントと協働できるよう再配置を計画
- 77%が、AIエージェント・デジタル労働力により組織構造が変わると予測
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89%が、AIエージェント・デジタル労働力により従業員をより適した新しい役割へ再配置できるようになると回答
→従業員の61%は現在の職務のまま、デジタル労働力とともに働く見込み
→従業員の23%を新たな役割やチームに再配置すると予測
- 88%が、新規採用よりも再配置のほうがコスト効率が高いと考えている
- 81%が、「すでに(20%)」または「今後(61%)」従業員をより良い将来性のある役割に向けてリスキリングする予定
85%の企業は自律型AIをまだ導入していない中、CHROは、短期的にはITや研究開発分野などにおけるAI導入を指揮
- 自社でAIエージェントの導入が進む中、IT、研究開発、営業組織拡大を見込む
- データサイエンティストやテクニカルアーキテクトといった技術系職種への人材の再配置を計画
- 企業がAIエージェント・エコノミーへと移行する中、AIリテラシーがもっとも重要なスキルであると認識
企業がデジタル労働戦略を導入する中、CHROは、ソフトスキルや関係構築の役割がより重要になると考えている
- 75%のCHROが、AIエージェント・デジタル労働力の導入によりソフトスキルの需要が高まると回答
- 従業員をパートナーシップ構築やアカウントマネジメントなど、関係構築に関わる職種に再配置することを計画しており、コラボレーション力と適応力が、AIエージェント・エコノミーでは重要なスキルと見なされている
- AIエージェントの強化と効率化により、顧客対応、オペレーション、財務などのチームの規模は縮小し、一部は再配置されると予測
デジタル労働力の導入が急務であるにもかかわらず、多くの人事責任者はまだ労働力整備の初期段階にある
- 自律型AIを完全に導入済みの企業は15%
- 73%の人事責任者は、従業員がAIエージェントによる自身の仕事への影響を理解していないと回答
Salesforce プレジデント兼最高人事責任者 ナタリー・スカルディーノ(Nathalie Scardino)氏のコメント
私たちは今、デジタル労働力の登場によって、かつてない速度で生産性、自律性、主体性が実現される、一生に一度の働き方の変革期にいます。あらゆる業界で業務の再設計、リスキリング、人材の再配置を行う必要があり、すべての従業員がこのデジタル労働革命の中で活躍するために、新たなヒューマンスキル、エージェントスキル、ビジネススキルを学ぶことが求められています。
r.Potential CEO グレッグ・シューメーカー(Greg Shewmaker)氏のコメント
この調査は、現在のリーダー世代が“人間のみ”の労働力を管理する最後の世代になることを示しています。ビジネスリーダーは、不確実性と複雑性が高まる環境の中で、自社を導く重責を担っています。AI導入と、人間とAIエージェントの協働のための確固たる枠組みを築くことが、未来の働き方の鍵になります。