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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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SalesZien Day 2025 Winter

2025年1月28日(火)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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「RevOps」は戦略と実行をつなぐ企業の“基礎” よくある誤解と本来の役割をエンハンプ川上氏が解説

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RevOpsに取り組むべき3つの理由と、「短期思考」の落とし穴

──なぜ今、日本の営業組織にとってRevOpsが必要なのでしょうか。

グローバルのトレンドも踏まえてお伝えすると、大きく3つの理由があります。ひとつは、顧客の購買プロセスの複雑化です。顧客の情報収集の幅が広がり、必ずしも営業と会う必要がなくなっています。その中で自社の製品・サービスを売るためには、顧客体験が断片化しないように、営業やマーケティング、カスタマーサクセスが連携する必要があるのです。

ふたつめが、データ活用の高度化です。日本ではオペレーションモデルの概念なしにテクノロジー導入が進んだことによって使いこなせていない企業が多く、グローバル市場と比較して、営業プロセス変革やテクノロジーが遅れています。意思決定をデータドリブンで行うことがあたりまえになってくる中で、RevOpsに注目が集まっています。

3つめがAIや新技術への適応です。生成AIが予想以上の速度で実用化されている現在、今からAI活用に取り組むかどうかで、5年先、10年先の競争優位性が大きく変わってくるでしょう。AIのパフォーマンスを最大化し、より精度が高い意思決定やプロセスの効率化を実現するには、自社独自の高精度なデータが必要です。そのため、データマネジメントやプロセスマネジメントの重要性が増し、それを支える役割としてRevOpsへの期待が高まっているのです。

──RevOpsに挑戦する際には、どのような課題が生じるでしょうか。

顕在的な課題のひとつが、データのサイロ化です。営業やマーケティングなど、各部門で運用しているシステムやデータのフォーマットが異なり、全体最適が難しいのです。

ふたつめは、RevOpsを担う人材が不足していること。日本にはまだRevOpsの経験者が少なく、データ分析やプロセス設計など必要なナレッジ・スキルがある人材はなかなか採用できません。

また、経営層のRevOpsに対する理解が不足していることも問題です。経営層がRevOpsの重要性を理解して積極的に推し進めないかぎり、実現は難しいでしょう。

そして潜在的な課題として、“企業カルチャー”に基づく抵抗が起こる可能性があります。とくに大企業の場合、組織が分かれていると、どうしても対立が生じてしまいがちです。そうした壁を乗り越えて、協業を促進できる企業カルチャーを醸成できるかがRevOpsの実現を左右します。

加えて、人材配置やシステム導入といったリソースの確保も重要ですね。中途半端なリソースで場あたり的に施策を講じても、RevOpsは実現できません。RevOpsの自社のあるべき姿やスコープを定義しないと、“御用聞き部門”になってしまうなど、取り組みを継続しづらくなってしまいます。

組織変革の取り組みは短期的なROIが見込めるものではありません。たとえば家を建てるときに「基礎工事は必要か?」とは思いませんよね。同じように、企業が存続するために必要な戦略と実行をつなぐ、まさに基礎となるのがRevOpsです。そもそも超短期的にROIを求める取り組みではありませんが、たとえばフォーキャスト(業績予測)の仕組みをつくろうとして、経営層から「その取り組みによって、今期の売上はどう変わるのか」と短期思考で評価されてしまうようでは、誰も挑戦できなくなってしまいます。

これらの課題を乗り越えるには、社内外全体を俯瞰し、持続的に成長するための判断ができる“推進者”の存在が鍵を握ります。「自分達の組織は特殊だから」と思考停止せず、自社の課題と客観的に向き合い、他部門も巻き込みながら、社外からもさまざまな知見を吸収する柔軟性がリーダーには求められるでしょう。

──これからRevOpsに挑戦する日本の営業リーダーに向けて、メッセージをお願いします。

RevOpsは単なるトレンドワードではなく、持続的な売上成長を目指していくための必要要件です。労働人口が減少する一方で顧客の期待値はますます増加し、競争も激化していく中で、テクノロジーを活用しながら部門間をつなぎ合わせ、一致団結して価値を提供していく必要があります。

RevOpsは一朝一夕で実現できるものではありませんが、まずはおさえるべきポイントを理解したうえで、取り組めるところから始めてみてください。地道に泥くさくチャレンジし続けていくことで得られる効果は、長期的にはかなり大きなものになります。

ぜひ一緒にRevOpsについて学びながら、日本の企業の成長を目指していきましょう。

──本日はありがとうございました!

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この記事の著者

SalesZine編集部 高橋愛里(セールスジンヘンシュウブ タカハシアイリ)

1992年生まれ。新卒で総合情報サービス企業に入社し、求人広告の制作に携わる。2023年翔泳社入社。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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