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Salesforce、Slackでの生産性を向上 AIエージェント、目的別AI、CRMデータを集約へ

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 米国セールスフォース(以下、Salesforce)は、企業が持つ知識、データ、AIエージェント、アプリ、自動化機能を、AIが操作するビジネスオペレーティングシステム(以下、ビジネスの基本システム)に統合する、Slackの新しいイノベーションを発表した。

 SlackとSalesforceのデータを統合させた会話型インターフェースで、チームは目的に特化したAIエージェントと協力して作業することができるようになる。

  • Agentforce in Slack:AIエージェント向けの新しいユーザーインターフェース(UI)により、チームはAgentforceのAIエージェントを使用して、Slack上でデータと会話したり、インサイトを得たり、タスクを実行したりできるようになる。
  • サードパーティのAIエージェント:Adobe、Anthropic、Cohere、Perplexityなどのパートナー企業が提供するAIエージェントやAIアシスタントを、Slackの環境に導入することができる。
  • Salesforce チャンネル:SalesforceのCRMレコードをSlackのチャンネルベースの会話に接続する新しいタイプのチャンネルにより、チームはさまざまなアカウントやオポチュニティと連携しながら作業を進める総合的なスペースを利用できる。また、今後はSalesforce チャンネルがSalesforce UIに組み込まれる予定。

 Slackの新たな機能強化には、検索と自動化に特化したAI機能や、あらゆるユースケースや事業部門の生産性を向上させる新しいソリューションベースのテンプレートも含まれる。

  • Slack AIの新機能:ハドル議事録、容易になった自動化、改善された検索などの機能強化により、チームはよりスマートに作業できるようになる。
  • Slackテンプレート:テンプレート化されたチャンネル、canvas、リスト、自動化されたワークフローにより、さまざまな部署のタスク作業が生産的になる。

新機能の詳細

Agents in Slack:チームは、案件の成約、キャンペーンの作成、顧客の問題解決、プロジェクトの完遂などのあらゆる場面で、AgentforceのAIエージェントやサードパーティのAIエージェントとシームレスに連携することができるようになる。ユーザーは、Slackに特化したUIを介して、これらのAIエージェントとやりとりをする。

  • Agentforceは、AIを駆使したCRMのインサイトを直接Slackに提供することで、ユーザーが顧客データに基づいて行動できるようになる。ユーザーは自然言語で質問や指示を行うことができ、構造化されたCRMデータと非構造化された会話データの両方を基に回答を受け取ることができるようになる。Agentforceは、オポチュニティや案件に関する状況を提供するほか、次のステップの提案、メールや行動計画の下書きの作成、ダイレクトメッセージやチャンネルでそれらの詳細情報の共有などを行うことができる。
  • Data Cloudが提供するAgentforceのAIエージェントは、推論、タスクの調整、アクションの実行が可能であり、規模を拡大しながらパーソナライズされた体験を提供する。たとえば、Agentforce Sales Coachは、案件の文脈に沿ったロールプレイを自律的に促進し、パーソナライズされた客観的なフィードバックを提供することで、営業担当者がスキルを向上できるようSlack上で支援する。
  • サードパーティのAIエージェントがタスクをサポートするため、ユーザーは重要な業務に集中できる。ユーザーは、専用APIを使用してカスタムエージェントを構築したり、Slackアプリ、AIエージェント、AIアシスタントなどのハブであるSlack MarketplaceからサードパーティのAIエージェントをインストールしたりすることができる。現在Marketplaceで利用可能なAIエージェントとAIアシスタントは、Adobe ExpressやCohereなどのSlackパートナーが提供しているが、今後はAnthropic、Amazon Q Business、Perplexity、IBMなども提供予定である。
  • Adobe Expressは、デザインプレゼンテーション、メディアキャンペーン、ソーシャル投稿、チラシなど、ブランドに合ったコンテンツを用意な手順で作成できる。
  • Amazon Q Businessは、顧客のシステム内のデータや情報に基づいて、質問への回答、要約の提供、コンテンツの生成、タスクの完了を行う。
  • AnthropicのClaudeは、コンテンツの作成、編集、要約、データの分析によるパターンとインサイトの特定、コードの記述とデバッグ、複数のソースからの情報の統合による調査の加速化を支援する。
  • Asanaは、ステータス、妨げとなる要因、次のステップなど、プロジェクトのインサイトと推奨事項をSlackの会話の文脈の中で提示する。
  • Boxは、アップロードされた契約内容の分析や、社内文書から競合に関する質問への回答作成、レポートの要約作成に役立つAI搭載のコンテンツインサイトを提供する。
  • Cohereは、Slackの会話型AIアプリで効率性を向上させ、独自のビジネスデータに基づくコンテンツと回答を提供する。
  • Perplexityは、信頼できるソースをウェブ上で検索し、競合分析と戦略的提案のためのインサイトを提供する。
  • Workdayは、従業員とマネージャーにAIアシスタントを提供し、給与、勤務時間、欠勤、ジョブリクエストなどの財務および人事記録に関するタスクやインサイトにアクセスできるようにする。
  • Writerは、顧客のデータ、ブランド、ワークフローに合わせたAIアプリを使用して、アセットの下書き作成、データの分析、質問への回答、新しいアイデアのブレインストーミングを行う。

Slack AIの新しい機能:Slackにネイティブで組み込まれた直感的な専用AIエクスペリエンスにアクセスすることで、チームはよりスマートに作業ができるようになる。Slack AIのリリース以来、顧客は6億件以上のメッセージを要約し、ユーザー全体で合計110万時間を削減した。

  • Slack AIのハドル議事録は、重要なポイントやアクションアイテムを記録し、ユーザーが目の前の仕事に集中して取り組めるようにする。Slack AIがハドルに招待されると、リアルタイムの音声とハドルスレッドで共有されたメッセージを使用して、スレッドのトランスクリプトと引用つきの注釈、アクションアイテム、canvasに共有されたファイルを含む議事録を作成する。ハドルが開始されたチャンネルまたはダイレクトメッセージの参加者は、AI による議事録を表示できるため、会議に出席できなかった場合でも、チーム全体が最新の情報を把握し、行動を起こすことができるようになる。
  • AI ワークフロービルダーは、会話形式の指示でワークフローを生成するため、ユーザーはタスクを自動化できるようになる。「チャンネルに参加したチームメンバーに歓迎メッセージを送信」といった指示を入力すると、Slack AIとワークフロービルダーが自動的にワークフローを生成する。新しい「チャンネルの要約」ステップでは、ユーザーは気に入ったチャンネルの定期的な要約を公開するワークフローを作成できる。
  • Slack AI検索では、ファイルやアプリに関する知識を基に検索結果が表示されるようになったため、ユーザーは関連性の高い回答を得ることができる。これまでユーザーはSlackの検索バーに自分の言葉で質問を投げかけ、Slackの会話データに基づく回答を得ることができた。今回、Slack AIは、Slackにアップロード、および共有されたファイル、canvas、クリップのトランスクリプト、連携アプリのドキュメント、GoogleおよびMicrosoftのファイルなどからも回答を生成する。Slack AIは、Retrieval Augmented Generation(RAG)を使用して回答を生成する。検索を実行したユーザーに固有の結果が生成され、Slackでユーザーがアクセスできるメッセージやファイルのみが取得される。

 なお、顧客データはSlackのクローズドな環境内に残り、大規模言語モデル(LLM)のトレーニングには使用されない。

Salesforce チャンネル:チームは、Salesforce CRMデータとSlack上の顧客中心の会話を橋渡しする統一された環境で、連携を維持しながら業務を進めることができる。

  • Salesforce チャンネルは、Salesforceレコードから商談、ケース、カスタムオブジェクトなどのCRMデータを安全に取得し、対応するSlackチャンネルに表示する。これにより、ユーザーは進捗状況を追跡したり、知識を共有したり、顧客をサポートしたりすることができる。また、ユーザーはSlack上でCRMデータを安全に編集および更新できるため、複数のシステムに情報を重複して入力する必要がなくなる。
  • また、Slack AIによる会話サマリーをSalesforce チャンネルで利用すれば、ユーザーは、Salesforceのアカウント階層内の関連するほかのSalesforce チャンネルを通じて、特定の顧客に関するハイライトを把握することができる。たとえば、アカウントディレクターは、アカウントチャンネルにいる間に、Slack AIを利用して、関連するオポチュニティチャンネルで顧客に関する議論の最新情報を入手したり、関連するケースチャンネルで顧客のサポートケースに関する進行中の会話を把握することができる。
  • SlackとSalesforceの間でメタデータが自動的にマッピングされるため、Salesforce チャンネルはSalesforceでユーザーに割りあてられたレコードの権限に従うことになり、ユーザーはSalesforceで許可されているデータのみをSlackで閲覧・編集できるようになる。
  • Salesforce チャンネルはSalesforceのユーザーインターフェースに組み込まれる予定である。たとえば、サービス担当者はSalesforceを離れることなく、Slackで作業中の製品エキスパートと会話することができ、会話全体がレコードに関連づけられたままになる。
  • また、Salesforce Starter SuiteでもSalesforceチャンネルにアクセスできるようになるため、中小企業は Slack をシンプルで使いやすいCRMに接続し、顧客データに関する意思決定の迅速化とコラボレーションが可能になる。

Slack テンプレート:各事業部門や使用事例に対応するSlackの生産性向上ツールが事前に設定されたテンプレートを使用することで、チームは業務を標準化し、価値を可能にするまでの時間削減を可能にする。

  • ユーザーは、プロジェクト管理、フィードバック収集、ヘルプリクエストの優先順位づけなど、一般的なプロジェクトやプログラムに適した特定のソリューションを、Slackワークスペースのテンプレートハブから選択できる。また、仕事の内容に合った構造化されたチャンネルを作成できるようになる。テンプレート化されたcanvas、リスト、自動化されたワークフローが揃っているので、チームはすぐに作業に取りかかることができる。
  • テンプレートは、一般的なタスクの構造やフレームワークなど、ベストプラクティスに関するガイダンスを提供することで、作業の開始を効率化する。チャンネルは特定のプレフィックスとともにあらかじめ構築されており、canvasにはあらかじめ入力されたデータとともにフォーマットが設定され、リストには自動作成された必須フィールドが含まれ、ワークフローにはあらかじめ設定されたステップが用意されている。
  • たとえば、マーケティングチームはcanvasに用意されたテンプレートに沿ってプロジェクトの概要を記載し、リストにプロジェクト計画、ワークフローに毎週の進捗状況の自動更新を組み込んだチャンネルを立ち上げることで、キャンペーンを開始することができるようになる。

Salesforce Slack CEO デニース・ドレッサー(Denise Dresser)氏のコメント

 SlackはAIエージェントを活用したビジネスの基本システムとして、“スマートな働き方”を再定義しようとしています。時代はすでに、従来のコラボレーションの枠を超えた領域に突入しています。毎日、何百万ものチームが目的に特化したAIを利用して、顧客データを処理したり自動化を実現したりしています。そして今、AIエージェントが業務フローにシームレスに統合されようとしています。複雑さを増す今日の仕事環境で真の生産性を発揮するには、未来の働き方に対応できるビジネスの基本システムが必要です。つまりそれが Slack なのです。

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