トップ営業スタッフこそ、さまざまな悩みを抱えている
あなたに質問がある。
朝起きて「今日はフィジカルもメンタルも絶好調だ!」ときっぱり言える日が月に何日ありますか?
この質問に対して「ほぼ毎日絶好調ですよ。営業が楽しくてしょうがないのだから」と回答できる人は少ないはず。それどころか「調子の良い日なんてほとんどない」と答える人もいるだろう。元気にワクワクしながらベッドから飛び出す人は少ないものだ。
最近は次のようなテーマがテレビ番組でもよく特集されている。
- パフォーマンスを上げる方法
- 良い睡眠をとる方法
- 何を食べると元気になるか
人々の「なんとかして体や気持ちを良い状態にしたい」というニーズの現れである。結果を出すためには、まずは元気でないといけない。そう考える人は多い。
トップ営業スタッフに対して、“元気にバリバリ働いている”イメージを持つ人も多いだろう。しかし、現実はそうではない。さまざまな問題を抱え、誰よりも悩んでいる。眠れない夜だって少なくない。
ハウスメーカーの営業をしていたときのこと。会社のトップ営業スタッフと一緒の営業所になったことがある。それまでは会議や表彰式で会うだけで、その人の一面しか見ていなかった。トップ営業スタッフはポジティブでエネルギッシュな人。「なんでこんなにパワフルなのだろうか。悩みなんかないんだろうな」と思っていた。
しかし、実際一緒に働いてみると、そんなことはない。絶えず重くのしかかるプレッシャーと難題を抱えながら結果を出していた。
もちろん体の調子の悪い日もあった。しかし、ここぞというときにはスイッチを入れる。どんな状態でもベストを尽くし結果を出す。これこそが真のトップ営業スタッフの姿であった。
プロ野球のピッチャーが、「調子が良い日はシーズンで2、3試合しかない」と語るのを聞いたことがある。調子の良い日はストレートが走るし、変化球もキレる。気持ち良くピッチングができるだろう。それは自然に任せれば良い。それ以外の調子の良くない日にどう工夫してゲームをつくりあげていくかで“大投手になるか、並みの投手で終わるか”が決まる。