お客様から“よくある小話”を聞いたらどうする?
仕事でのこと。打ち合わせが終わり、雑談タイムになった。そこでAさんが筋トレについて興味深い話をしていた。内容は「重いものを持つより、軽いものを持って筋肉を刺激すると良い」というもの。そのほうが故障もしないし、安全に筋肉がつけられる。なによりAさんの筋肉のついた体が効果を証明していた。そこに集まる人たちは、「それは良い方法だ。さっそく取り入れてみたい」と言って盛り上がっていた。
盛り上がりがピークに達したころ、Bさんが「その方法は少し前から言われるようになっていて、最近は主流ですよ」と言った。運動に詳しい人にとって、こういった理論は常識なのかもしれない。しかし、その場でわざわざ言う必要があるのだろうか? いっきに場がシラケたのは言うまでもない。
Bさんは場の空気を読まない人である。本人は「正直に事実を伝えただけ」と思っているかもしれないが、こういったひと言を言う人はだんだんと敬遠される。悪気はなくても、場がシラケるひと言を言ってしまう。こういった人があなたのまわりにもいないだろうか? もし、盛り上がっている席で“自分がひと言口をはさんだ途端、静まり返った”という経験があるのなら、今後は十分注意する必要がある。
人の話を聞いて「そんなのは当たり前だ」と言えば当然その場はシラケる。トップ営業スタッフはそういった愚行はしない。
たとえばお客様から“よくある小話”を聞いたとする。今まで散々聞いた話だし、新鮮さもない。たとえ聞き飽きている話でも「なるほど、面白いですね!」と初めて聞いたように受け答えする。さらには「それってどこで勉強されているのですか?」と話を掘り下げていく。このように言われればお客様もさらに話したくなるだろう。トップ営業スタッフはお客様との会話の中で、「どう返せば相手がもっと話したくなるか?」と常に考えているのだ。
トップ営業スタッフは場を盛り上げるのがうまく、苦戦している営業スタッフは知らず知らずのうちに場を盛り下げる。これを実感した出来事があった。