営業目標を立てることの大切さ
人はゴール(目標)があるからこそ、そこに向かって頑張れるものです。そのため、目指すべきゴールが「たくさん売上を上げる」や「先月よりも頑張る」といった曖昧なものだと、何をどう頑張ればいいかはっきりせず、多くの場合目標も達成できないまま終わってしまいます。
具体的な営業目標を立てられれば、まずは自分の立ち位置が明確になります。そして、ここからどうすれば目標を達成できるかを考えてそこに向かって日々のタスクをこなしていけるので、営業目標を達成しやすくなるのです。
営業目標を立てるときの3つのポイント
営業目標は、ただやみくもに設定すればいいというものではありません。ここでは営業目標を立てるときのポイントを3つ紹介します。
自分の能力を過信しない
しっかりと自己分析ができていない人は、自分の能力を過信して何の根拠もなしに「私はこれくらいできるはずだ!」「来月は2倍契約を多く取ろう」などと、無謀な営業目標を立ててしまいがちです。無謀な目標は達成できないだけでなく、達成できなかった自分自身に「自分で立てた目標さえ達成できないのか……」と嫌悪感を抱いてしまい、精神衛生上よくありません。
営業目標を立てるときは、自分の能力を過信せず、現実的に見て達成できる目標を設定することが大切です。今までの自分の実績や作業効率を客観的に考えて、「あと少し頑張れば達成できる目標」を立てるといいでしょう。
数値で目標を立てる
営業目標は「今月は先月よりも売上数を増やす!」といった曖昧なものよりも、「今月は30件の売上を目指す」「先月よりも売上20%アップを目指す」というように数値化したほうが進捗を管理しやくなり、日々のタスクにも落とし込みやくなります。
数値で営業目標を立てることで、現時点でどれくらい目標を達成できているのか、今の自分は何をすれば目標を達成できそうか、今何を優先して行うべきかなどの予測も立てやすくなるでしょう。
営業目標を達成できない人の中には、期間設定がうまくいかず自分がどれだけの仕事をすれば目標を達成できるのか見えていない人が多いようです。目標を数値化するとゴールまでの仕事量が見えやすくなるので、時間配分をしやすくなります。目標達成までにどれくらいのペースで仕事をこなせば達成できるのかが数値で明確化されるので、期間設定が苦手な人や締切りギリギリでの追い込み癖がある人は、各期間の目標を数値で立てるといいでしょう。
小さなゴールをいくつも設定する
営業目標は、最終的な目標をゴールとして考え、そこにいくまでにいくつも小さなゴールを設定して、1つずつクリアしていくのがおすすめです。最終的な目標だけだと達成までの道のりが遠すぎて、途中でだらけてしまったり、タスク管理がしにくくなったりします。しかし、小さなゴールをたくさん設定しておけば、中だるみせず一歩一歩着実にタスクを進めていけるのです。
たとえば最終的な目標が「1ヵ月で売上30件達成」だとしたら、まず売上を30件あげるために日々何をすべきなのか、どれくらいのペース配分で進めていけばいいのかを考えます。そして「1日5件新規開拓」「1週間で売上8件」などの小さなゴールを設定し、ひとつずつ着実にクリアしていくと、小さな達成感を積み重ねながら最終目標を達成できるでしょう。
営業目標達成までのロードマップ
ここでは、営業目標を達成するまでのロードマップを紹介します。これまでなかなか営業目標を達成できなかった人も、ここで紹介するロードマップに沿って日々のタスクをこなしていけば、結果を出しやすいでしょう。
ステップ1:達成可能な目標数値を導き出す
まずは目標数値を導き出します。このとき決して自分の能力を過信せず、過去の業績データをもとに「ちょっと背伸びしたら達成できそうな目標」を数値として出しましょう。
大切なのは、根拠のない無謀な目標数値にしないことです。たとえば今まで1ヵ月の売上件数を10件以上達成したことのない人が、いきなり来月の目標を「売上30件以上達成!」にするのは無謀です。まずは10~12件といった少し頑張れば手の届きそうな数値に設定し、今までのやり方を見直して方向性を変えると目標達成の可能性が高まります。
ステップ2:目標を細分化し日々のタスクを設定する
営業目標が設定できたら、その目標を達成するために自分が何をすべきか考え、日々のタスクに落とし込みます。小さな目標をいくつも設定し、最終的な目標まで着実に小さな目標をクリアしていきましょう。
最終目標だけだと目標までの日数が長いため、今日、明日の自分が何をすべきかがわかりにくく、仕事のペース配分も難しくなります。最終的な目標を設定したら、次に1週間ごとに小さな目標を設定し、小さな目標を設定するための日々のタスクを考えるといいでしょう。
ステップ3:進捗状況を確認する
日々のタスクをこなしながら、こまめに進捗状況を確認することも大切です。進捗状況を確認することで、方向性が間違っていないかを確認できます。頻度を決めて進捗状況を確認し、思うように成果が出せていなかったらやり方が間違っているのかもしれません。間違ったやり方で突き進んでも効率が悪く、営業目標も達成できない可能性が高いので、1週間に1回や10日に1回などと期間を決めて、定期的に進捗管理を行いましょう。
タスクを進めていく中で、今のままでは営業目標を達成できないと思ったら、もう一度日々のタスクや小さなゴールを見直してみることです。
無理のない営業目標が成功のカギ
営業目標は、自分の実力を加味した上で立てなければ達成できません。無謀な営業目標は、達成できないだけでなく、達成できない自分に自己嫌悪を抱いてしまう可能性もあるため悪循環です。
営業目標を立てるときは、今までの自分の実績をベースにまずは「もう少し頑張ったら達成可能な目標」(最終目標)を設定し、小さな目標をいくつも立ててそれら1つひとつ確実にクリアしていきます。途中、こまめに進捗状況を確認し、思ったより進みが悪かったり営業成績が伸び悩んだりした場合は、日々のタスクを見直して、どうやったら今の状況から最終目標を達成できるかを考えましょう。
今まで営業目標を立ててもなかなか達成できなかった人は、能力が低いわけではなくそもそもの目標の立て方が間違っていただけかもしれません。今回紹介した目標を立てるときの3つのポイントや目標達成までのロードマップを参考に、自分の営業目標を立ててみてください。