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2024年11月20日(水)15:00~17:10

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ソーシャルセリングとは?実施方法やメリット・注意点も詳しく紹介

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 近年、BtoBマーケティングの手法として、SNSを用いた「ソーシャルセリング」が注目されている。しかし、海外ではSNSをマーケティングに積極的に取り入れている一方、日本ではまだまだSNSを活かしきれていない現状だ。 「やってみたいけどソーシャルセリングへの理解が追いついていない」「SNSマーケティングとの違いがよくわからない」という人も多いのではないだろうか。 そこで本記事では、ソーシャルセリングと従来マーケティングとの違い、ソーシャルセリングの実施方法やメリット、注意点について詳しく紹介する。SNSを用いたBtoBマーケティングに力を入れたいとお考えの人に、ぜひ参考にしていただきたい。

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ソーシャルセリングとは

 ソーシャルセリングとは、SNSを活用して見込み客との信頼関係を築き、自社の商品やサービスの販売に繋げる営業手法のことだ。見込み客以外にも、既存の顧客に対してのアフターケアやさらなる関係性の構築を図れるため、顧客ロイヤリティを維持するためにも活用できる。

 SNSを活用した販売戦略はECだけでなく、人材マッチング系サービス、案件紹介サービス、Web制作サービスなど多岐にわたり、近年ではBtoBマーケティングに活用されることも増えている。

 SNSをきっかけに繋がることで、見込み客が課題を感じたときに、最初に想起される企業やブランドへと近づくことが可能だ。SNSで日々見込み客とコミュニケーションをとっている企業は、競合よりも一足先に課題の解決方法を提示でき、価格競争を回避して受注に繋げることができるだろう。

従来の営業手法との違い

 SNSを使用したマーケティング手法のため、SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングと混合してしまったり、違いがわからなかったりする人も多いだろう。しかしこれらは別の手法で、ソーシャルセリングとは違った意味合いを持つ。

 それぞれの特徴は以下のとおりだ。

【SNSマーケティング・インフルエンサーマーケティングの特徴】

  • SNSを拡散させて多数の潜在顧客へのアプローチするためターゲット幅が広い
  • 自社の商品やサービスの認知度を高めることやブランディングに繋げることが目的
  • 潜在顧客の育成や購買の促進に活用

【ソーシャルセリングの特徴】

  • SNSを利用して見込み客や既存顧客に営業活動を行う
  • 見込み客と直接コミュニケーションを図り、信頼関係を構築し、購入に繋げることが目的
  • 購買や契約など、直接具体的な行動に繋げる狙いがある

 SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングは、SNSを利用してユーザーに商品やサービスを認知してもらうことが目的で、不特定多数の幅広い人物を対象にしている。

一方ソーシャルセリングは見込み客や既存顧客に絞って、直接的なアプローチを図ることが大きな違いといえるだろう。

ソーシャルセリングの現状

 海外ではビジネスに特化したSNS「Linkedin」などを中心にソーシャルセリングが活発に利用されている。Linkedinは会社の上司や同僚、取引先などと繋がれるSNSで、顧客と直接的にコミュニケーションを図り従来よりもスピーディーな関係性の構築に寄与している。

 しかし、日本ではまだあまりソーシャルセリングは浸透していない。ビジネスでSNSを利用する文化がまだ根づいてなく、情報漏洩や炎上を恐れていることなどが理由として考えられる。そのためSNSをビジネスで利用するのが得意という人はまだまだ少ないようだ。

 また日本では、会社同士で信頼関係を築き繋がりを保つ習慣が根強く残っており、個人の力で新たに繋がりを広げようとする意識が低いことも、ソーシャルセリングが浸透しない理由の一つといえるだろう。日本の企業では、個人的な動きが評価されにくく、組織から外れた動きは敬遠されやすい傾向にあるためだ。

 だが、近年ではSNSで見たレビューや商品を作っている会社との直接のやり取りを重視する人が多くなっている。BtoBの営業においても、以前は電話でのアポ取りや訪問営業が主流だったが、今ではオンラインでのアポ取りが主流になりつつある。

 コロナ禍でオンラインの繋がりが重要視されるようになったことで、ソーシャルセリングの注目度は以前よりも格段に増した。ソーシャルセリングを行い、それぞれの人の好みや興味に合わせて商品やサービスを提供するチャンスを生み出し、企業間で強い信頼関係を築くことが、今後の成功への近道となるだろう。

ソーシャルセリングのメリット

 ソーシャルセリングの主なメリットは以下の4つだ。

  • 見込み客へ効果的にアプローチできる
  • リードタイムを短縮できる
  • SNSで情報するユーザーへリーチできる
  • ファンを作りやすい

 メリットを十分に理解しておけば、ソーシャルセリングを実施する際に利点を最大限に引き出しやすくなるだろう。それぞれ順に紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

見込み客へ効果的にアプローチできる

 ソーシャルセリングでは、接点を持ちたい見込み客をターゲットとして直接情報を届けられる。従来の営業方法なら、日時を決めてアポイントを取る必要があったが、ソーシャルセリングならユーザーの好きな時間にSNS上でメッセージのやり取りを行うことが可能だ。

 ライトなコミュニケーションをベースに日々の情報発信やユーザーへのリアクションを重ねることで、見込み客のニーズが顕在化した際に自社が第一想起されることに繋がるだろう。

リードタイムを短縮できる

 ソーシャルセリングが従来の営業と異なるのは、売り手と買い手の信頼関係が構築された状態から商談を始められる点だ。買い手は情報発信をしている営業担当者を認知しており、相談時には相互理解が進んでいる。顧客自らが情報収集しているフェーズなこともあいまって、受注までのリードタイムを大幅に短縮できるだろう。

 また、ユーザーの悩みや解決したいことに対し、相手が欲しい情報を的確に提供できるのも大きなメリットだ。購入までのアドバイスを即座に送れるため、クロージングまでのリードタイムを縮められる。

SNSで情報収集するユーザーへリーチできる

 近年では、ソーシャルメディアを活用して製品やサービスの情報収集をする人が飛躍的に増えている。ユーザーの情報収集方法がテレビやラジオからWebに移り、今ではSNSが主流といえる。

 この行動の変化はBtoBサービスを選ぶユーザーにも見られるため、新規の見込み客にリーチする手段として、ソーシャルセリングが必要不可欠になることは明白だ。SNSで定期的な情報発信を続け、ユーザーへの認知を増やし、コミュニケーションを繰り返すことで、効果的にマーケティングを進められれば、競合他社にも差をつけられるだろう。

ファンを作りやすい

 SNSを日頃から利用するユーザーが相手である場合、たとえその場での購入に繋がらなくても、自社のアカウントをフォローしてもらうことで普段の活動や発信を閲覧・認知してもらえる。

 また、日頃から気軽にコミュニケーションを取れる相手だと思ってもらえれば、自社のファンになってもらったり、自社への興味を深めてもらえたりするチャンスになるだろう。自社のファンになってもらえれば、必要なタイミングが来た時に相手から仕事の依頼が来ることもあるはずだ。

 SNSで繋がっておけば、その場だけでなく、近い未来にもビジネスチャンスが生まれる可能性があることを覚えておいてほしい。

ソーシャルセリングの実施方法

 ここからは、実際にソーシャルセリングを実施する具体的な方法を以下の4つのステップに分けて紹介する。

1.目的に合わせて最適なSNSツールを選ぶ

2.SNSのプロフィールを最適化する

3.毎日継続的に情報を発信する

4.見込み客の投稿に対してリアクションをする

 順序立てて実践し、ソーシャルセリングを成功させるための参考にしてほしい。

1.目的に合わせて最適なSNSツールを選ぶ

 まずはソーシャルセリングをどんな目的で行うか、どんな効果を期待するのかを社内で共通認識として定めておくことが必要だ。ターゲットは誰で、どのようなアクションを行うのかを定め、ゴールまでの道筋をしっかりと決めておこう。

 目的が決まったら、その目的に合ったSNS選びも重要なポイントだ。ツールによってユーザー層や機能が変わるため、ターゲット層や行いたいアクションに見合ったSNSを選ぶ必要がある。

 主なSNSツールの特徴 は以下のとおりだ。

ツール名 特徴
Facebook
  • ユーザーが最も広範囲
  • さまざまな年齢層や背景を持つユーザーがいる
  • 自社のブランドやサービスを幅広い層のユーザーに届けるのに有効
  • コミュニティ機能で顧客と深い繋がりを築ける
X
  • 速報性や対話性に特化したプラットフォーム
  • サービスやPR、ブランド意識の向上に有効
  • 頻繁に情報発信すればフォロワーとのエンゲージメントを強化できる
Instagram
  • 視覚的に伝えるのが得意なプラットフォーム
  • 製品やサービスの魅力を視覚的に表現するのに有効
  • ライフスタイル、ファッション、旅行、飲食などの業界にマッチしている
  • LIVE配信を活用すればリアルタイムにユーザーの反応を見たり質問に答えたりできる
TikTok
  • 幅広い年齢層や、日々を忙しく過ごすビジネスマンにも情報を届けやすい
  • 比較的拡散性が高い
  • 動画で製品やサービスの魅力を視覚的に表現するのに有効
  • LIVE配信を活用すればリアルタイムにユーザーの反応を見たり質問に答えたりできる
Linkedln
  • BtoBのビジネスに特に適している
  • 業界のリーダーなどと繋がりやすい
  • 業界の洞察や専門知識を共有するのに有効

2.SNSのプロフィールを最適化する

 目的と使用するSNSツールが決まれば、プロフィールを作り込むところから始める。SNS上で相手が何者かを確認する際、一番最初に見る箇所なので、プロフィールは最も重要と言っても過言ではないだろう。

 ソーシャルセリングでは、見込み客に自分の課題を解決できる存在だと感じてもらえるための工夫を施すことが必要だ。プロフィール写真は自社のブランドが伝わるものや、顔写真にすると安心感を与えやすい。経歴や自社が得意とすることを簡潔にわかりやすく掲載し、自社をフォローするメリットを感じてもらえるようにすると良いだろう。

 また、顧客の信頼を獲得できるよう、会社情報やホームページのURLなども載せておくのも効果的だ。

3.毎日継続的に情報を発信する

 プロフィールが充実したら、早速情報発信を始めていく。発信する情報には以下のようなものがある。

  • 相手の役に立つノウハウのコンテンツ
  • 共感を得るための価値観や思想を共有するコンテンツ
  • 自社を認知してもらうための自社サービスについてのコンテンツ

 ただし、情報を発信する際は相手の役に立つノウハウのコンテンツを多く発信することが重要だ。自社の認知を広げようと、つい自社サービスのコンテンツを多く発信しがちだが、ソーシャルセリングではいかに信頼関係を築けるかが重要なため、相手にとって自社が役に立つ存在だと認識してもらうことを最優先にする必要がある。

 そのためソーシャルセリングで、広告感を増やしてしまうとユーザーに不信感を抱かせ、成功から遠ざかる可能性が高いことを覚えておいていただきたい。

4.見込み客の投稿に対してリアクションをする

 ユーザーと良好な信頼関係を築くには、情報提供だけでなく、相手の発信にリアクションするのも重要だ。

 SNSを閲覧する頻度を増やし、積極的にいいねやリプライ(返信)などでコミュニケーションを重ねることで、自社を印象づけることができ、自社への興味を深められる。

 ソーシャルセリングは中長期的な時間を要するため、ライトなコミュニケーションを積み重ね、より良い信頼関係を築くことで、見込み客が検討するタイミングで一番最初に自社を想起してもらうことに繋がるだろう。

ソーシャルセリングを実施する際の注意点

 ソーシャルセリングを実施する際の注意点は以下の3点だ。

  • 成果が出るまでには時間がかかる
  • 商品やサービスの投稿はしない
  • 日本ではまだ浸透しきっていない

 いざ実施する際に「思っていたとおりにいかない」ということがないように、注意点を事前に留意しておき、対策を講じておくと良いだろう。

成果が出るまでには時間がかかる

 ソーシャルセリングの目的はあくまでも良好な関係性を構築することにある。SNSを介して即座にダイレクトメッセージなどで営業活動するものではないので注意が必要だ。

 営業活動をする前に、自社がどのような価値を提供できるのかを、SNSの投稿を通じて相手に理解してもらうのが重要で、そのためにはゆっくりと時間をかけて印象づけていく必要がある。まずは同じ業界の人を巻き込んで、関連する分野のネットワークの構築を進めることを優先して行っていくと良いだろう。

 そして、業界の人たちにとって興味のある、有益な情報を継続的に投稿することを心がけたい。

商品やサービスの投稿はしない

 SNSへ投稿する際は、できる限り相手にとって有益な情報のみに留めたい。

 通常の友人関係であっても、自分語りばかりする人が敬遠されるように、ソーシャルセリングにおいても自社の商品やサービスのアピールばかりしていると、一気に不信感が募るだろう。次第に自社への関心は薄れ、フォローを外されたり、最悪の場合ブロックされたりする原因になるので留意しておいてほしい。

 また、一方的な発信を避け、相手の反応を見ながら適度に発信することが、成功への近道になるはずだ。発信内容には緩急をつけ、時には話題になっている事柄や流行しているものに触れることも重要となるだろう。

 たとえば、Xなどであればトレンドへの意識を高め、ハッシュタグなどを有効に使う、写真を利用して多くのユーザーの興味を引きやすくするなどの工夫も効果的だ。ソーシャルセリングを実施する際は、このように投稿内容を工夫し、営業活動を急ぎすぎないようにしたい。

日本ではまだ浸透しきっていない

 日本では、SNS上に本名などの個人情報を載せたがらない風潮が根強く残っている。プライベートな話ならまだしも、ビジネスに関する情報を発信することに関しては、なおさら抵抗を抱きやすいといえるだろう。

 そのような背景から、日本ではソーシャルセリングの知名度はまだまだ低く、活動のしづらさや窮屈さを感じることもしばしばあるだろう。また、ソーシャルセリングにまつわる知見を積んで効果的な施策をしたとしても、どれほどの評価に繋がるかは未知数だ。

 ソーシャルセリングが活発化するのはまだまだこれからといって良いだろう。今からじっくりと戦略的に実施すれば、きっと競合他社との差別化を測れるのではないだろうか。

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