“刹那的”ではないインサイドセールスの面白さ
──インサイドセールスに出会うまでの米田さんのキャリアについて教えてください。
司法試験合格を目指して勉強しながら法律事務所でアルバイトをしていました。ダブルワークとしてもう少し時給も良くて疲れない仕事を探したときに、インサイドセールスにたどり着きました。結局試験はうまくいかず法律事務所でも怒られてばかりで、思い切ってキャリアチェンジして今にいたります。これは結果論ですが、法律の勉強をしていたときに培った論理的思考はデジタルセールスに役立っています。お客様に対してわかりやすく説明する際や、要因を突き詰めて改善策を立てる際などですね。
──インサイドセールスという仕事に出会ったときどんな印象を抱きましたか。
最初は正直「電話してアポイントをたくさん取れば良いんでしょ」ぐらいに思っていました。しかし任された仕事はそうではなかったんです。当時のエムエム総研は外資系企業からインサイドセールス業務を受託しており、そのプロジェクトのひとつにアサインされたのですが、外資系企業は営業の人数をそれほど増やしませんし、確度の高い案件をきちんとパスしてほしいという前提がありました。
お客様に電話でアプローチして、ご案内すべきキーパーソンを判明させ、その方につながった後にヒアリングして現状把握をしたうえで、有望度の高いお客様を営業の方に渡していく、という一連の業務を行っていました。音声コミュニケーションだけで営業の方の提案機会をつくる、それはつまりお客様の課題解決の機会を非対面で生み出すことで、とても面白い仕事だと思ったんです。結果は数字で現れるため、それをもとに傾向分析や要因分析をして次の一手を考えるなど、データをもとにした改善も面白く感じました。
当社は2004年ごろからこのような業務を行っており、僕がジョインした2008年には業務や数値分析の方法について教えてくれる先輩がいて、その人たちから教わりながら自分でも主体的に工夫してやっていきました。
──多くの企業が悩んでいる「単なるテレアポになってしまう」「改善が進まない」という課題に対しての解を昔から持たれていたんですね。
そうですね。当時からCRMで顧客データを管理し、一度タイミングが合わなくても郵送やFAXでコンテンツをお送りし再度アプローチする、いわゆるナーチャリングのような領域までやっていました。「100件電話をかけて何件アポがとれるか」みたいな刹那的なアプローチではなく、将来の成果につなげていくことが大事だと気がつけた点も、インサイドセールスの仕事に面白さを感じられたポイントです。