インサイドセールスには“3分で伝える”力が必要
──インサイドセールスとの出会いについて教えてください。
キャリアをスタートした外資系の地図ソフトウェア販売会社で、初めてインサイドセールスに出会いました。技術系の部署からの異動でインサイドセールスチームに参加することになり、その面白さに惹かれました。顧客の購買行動が変化するなかで、インサイドセールスの可能性を感じたのです。
一方、当時の勤務先のインサイドセールス業務は問い合わせ対応が中心でした。分業型かつプロアクティブな業務ができる環境に興味を持ち、マネーフォワードへ転職しました。
──マネーフォワードで経験を積むなかで感じた面白さについてお聞かせください。
2年ほどプレーヤーとして活動したうえで感じた魅力はふたつあります。
ひとつめは効果測定がしやすく、すぐ達成感が得られる点です。たとえばフィールドセールスでは施策の効果が翌月以降の売上に現われることも少なくないですが、インサイドセールスでは早ければ翌日には効果が見えます。短期間で改善を結果につなげていけるのが魅力でした。
私のバックグラウンドも技術系であったことから、改善のためのツール活用にも抵抗はなく、試行錯誤を繰り返しながら楽しく仕事を進めることができました。「まずはやってみよう!」という文化のもと、自分が辛いと感じたり、苦手だったりした業務を克服でき、面白さを感じましたね。
もうひとつは、高いコミュニケーションスキルが必要である点。ツールを活用することで、誰でも一定の水準で業務ができると考えていたのですが、オペレーションの型をつくることができても、お客様とのコミュニケーションは完全に型に落とし込むことはできないと気づいたのです。
「広く浅く」というイメージも持たれがちですが、実際には、ツールを含むさまざまな技術を駆使して、データ分析や可視化を行いつつ、短い会話時間でお客様の課題を把握し適切なヒアリングや提案を行う必要があります。そのために業務への深い理解や商材知識、そして必要に応じて引き出すスキルが必要です。私の場合、平均会話時間は3分ほどなのですが、さまざまな情報が短時間にぎゅっと濃縮される感覚が、とても面白かったですね。
ツールの活用でお客様とチーム、双方の効率化を実現
──ツールを活用する中で辛さを克服したということですが、実際にどのような改善を行ったのでしょうか。
辛いと感じていた業務のひとつが、20分以上かけて行ったヒアリングの内容をシステムに転記することでした。人の話を聞きながら書くのはたいへんですし、お客様も電話で聞かれるよりアンケートフォームで選択するほうが楽ではないかと感じていたんです。
そこで、ヒアリングの部分を自動化するべく、お客様からの情報を回収できるアンケートを実施するようにしたのです。この改善によって、ひとりあたりのヒアリング時間が2~30分から5~10分に短縮され、インサイドセールスとお客様、双方の負担が軽減されました。
またコミュニケーションツールとしてSlackを使っているのですが、SalesforceとSlackを連携させ、フィールドセールスが商談フェーズを更新した際にインサイドセールスにSlack通知が来るようにしました。自分がつくった商談で、その後どのような結果が出ているかをすぐに確認でき、モチベーションの向上や振り返りに役立てることができるようになりました。