電話対応に不安を覚えるのはあたりまえ
大手の営業会社での新人研修でのこと。研修前に事前アンケートを取ったところ“お客様との電話対応が不安”という意見が多く出てきた。ただ、この回答はある程度予想していたため驚きはなかった。というもの私は大学で「ビジネス・営業マナー」という授業をしており、学生から「電話対応ができるか不安」という声をもともと聞いていたからだ。
今の学生はスマホでリアルに会話をしない。友達とのコミュニケーションの8割以上がSNSやメールでの文字情報のやりとりとなっている。私の娘は今高校生だが、メッセージを打つのが実に早い。直接会話をしているかのようにメッセージのやりとりをしている。ただ、友達とリアルに電話をしている姿をほぼ見かけたことがない。いつの間にかそんな時代になった。
これは新社会人でも同じだろう。友達とも電話でほとんど話していないのだから、お客様やまったく知らない人との電話対応に戸惑うのも無理はない。
少し経験を積んだ社会人であれば「電話対応なんて自然にできるだろう」と思うかもしれない。しかし、多くの若者は電話対応について何も学んでおらず、不安に思っている。電話対応は社会人になって身につけるべき大切な基本だが、そんなに難しく考える必要はない。というもの電話対応には一定の会話パターンがあり、それを覚えてしまえば良いからだ。
何を隠そう私自身もテレアポや電話対応を大の苦手としていた。会社にかかってきた電話を取る際は常にあたふたしていたし、テレアポをする際は手汗で受話器がビショビショになるくらい緊張していた。だから“営業レター”という手法を編み出し、文章で営業をして契約をとっていたのだが。
そんな私が苦手克服のためにやったことがある。