多拠点でビジネス展開する企業に「動画を使ったDX」を提案するClipLine
――現職に至るまでの営業としてのキャリアを教えてください。
ベンチャーの営業組織の立ち上げは、現在のClipLineで3社めになります。最初は2000年ごろにベンチャーで立ち上げを経験しまして、その後マイクロソフトで9年ほど経験を積み、再度ベンチャーを経て、2018年にClipLineにジョインしました。
2000年代前半から現在に至るまで一貫してIT業界でソフトウェアやSaaS製品に携わってきて、ハードウェアを売った経験はありません。とくにCRMやSFA、コールセンター周りなどの業務系領域が多かったですね。ロールとしてはマーケティング、パートナーのセールス、直販などをひととおり経験しており、短期間で営業組織を立ち上げて回していくことには、こだわりを持って取り組んでいます。
――ClipLineの事業の特徴と、営業組織として抱えていた課題について教えてください。
もともと創業メンバーの何名かはサービス業のコンサルティング経験がありますが、そこでもっとも難しかったのが、サービス提供の最前線である現場の育成やマネジメントの支援だったと言います。とくに店舗の数が多く拠点が離れていると、階層型のマネジメントを行うことになりますから、その難しさは多くの企業で課題になっていました。
その課題を、動画を使って改革しようとしたのがClipLineの始まりです。外食から始まって、小売や介護など、徐々に対象業界が広がってきています。現在はサービス業に限らず、分散拠点で販売・サービス活動を行うすべての会社に対して、「動画を使ったDX」の提案を中心に行っています。
そんな当社ですが、私が入社したころはまさに営業課題が顕在化した時期でした。それまでは3名の取締役がトップセールスをしていたのですが、営業活動だけに専念はできないため、質は追えるけど数が追えない、リードナーチャリングや案件を中長期でカバーできない、という状況でした。そこで、しっかりと営業組織を立ち上げることになったわけです。私が営業としてのロール第1号でした。
――営業組織の立ち上げは、既存組織と連携しながらどのように進めていったのでしょう。
マーケティングという組織はあったのですが、インサイドセールスは営業組織とほぼ同時期に立ち上がっており、私はフィールドセールスとして入社しました。「The Model」的な考え方でマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスをしっかり型にはめていったため、やりやすかったですね。
また、組織化を急がなかったことも大きかったと思います。人が少しずつ増えてきたことに合わせて、マーケットやリードのバランスを見ながら徐々に拡大していきました。人材は基本的に中途採用が中心ですが、キャリアは販売する製品やサービス、対象となるセグメントなどによって変わるため、そうしたノウハウを共有する部分は進んでいます。
テクノロジーの面では、当初からSalesforceは導入しておりましたし、MAツールやSansan、bellFaceなど、営業活動に必要なツールはすべて揃っていました。