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データとテクノロジーの活用は当たり前 Google、freeeの営業改革を牽引した村尾さんに聞く

2019/02/21 07:00

 組織において売上獲得という重要な役割を担う営業職。それだけに目先の数字に終始してしまう危険性もはらんでいる。そうした状況を回避し、「顧客に真の価値を提供する組織」として改革・成長するためには、どのようにすればいいのか。Google、freeeなどの営業組織の立ち上げや改革に取り組んできた株式会社Magic Moment代表取締役 村尾祐弥さんに、これからの時代の営業組織のあり方やその後押しとなるテクノロジーの活用などについて伺った。

あらゆる営業のオペレーションを体験したGoogle時代

――営業としてのキャリアのスタートについてお話ください。

大学を卒業して入った株式会社毎日コムネットでは、大学生向けの合宿やイベントなどの営業職として、リピーターと新規顧客の両方を担当しました。当時はデータもなく、新規営業といえば「受話器を手にくくりつけて」といわれるくらい、電話でのアポ取りが必須でした。でも、その最初のタッチから「お客様になっていただくための施策」をきちんと行うことで顧客になってもらえるんだというファネルのイメージのようなものは実体験の中から獲得していました。顧客を満足させることに貪欲で真っ直ぐな営業の諸先輩方が多く、難しいリクエストも努力次第で対応できるという実感を得られたのは、ここでの経験があってのことです。早いうちから拠点長として組織をまとめる経験もさせてもらい、今につながる基礎を学んだと言っても過言ではないですね。

 
株式会社Magic Moment代表取締役 村尾祐弥さん

その後、メディア企業の広告営業職を経て、GoogleではAdWords(現・Google Ads)の営業担当となりました。当時は、検索連動型広告の売上が9割近く、そんな中で日本法人がまだ行えていなかった顧客に対して示唆を与えながら導いていくという営業を実践したことで、多くの大手企業にAdWordsを利用してもらいました。世界最大の案件を獲得するなどの成果も出して、上司だった野澤俊通さん(現freee CMSO)にマネージャーとして引き上げていただき、新規顧客開発の営業部長となりました。その際に売上達成はもちろん、自分の成功モデルをオペレーションとして仕組み化することに取り組んだのです。

――具体的にはどのようなことをなさったんですか。

ひとつは営業担当者の教育の仕組みです。何をどのくらいできるようになれば一人前とするのか、定量的な指標と定性的なスキルバッチを設定しました。また、マーケティング担当者と協議しながらナーチャリングの仕組みもつくりました。獲得案件をすべて精査して数種類の社外データと社内データとを付き合わせ、資本金や資金調達のタイミングなど20項目にわたるリードアセスメントの尺度を抽出することもしました。実は私が入った頃、本国の指示でインサイドセールスの仕組みも構築しようとしていたのですが上手くいかず、私のチームの取り組みを米国本社向けに野澤さんと発表し、その組織オペレーションを採用してもらったのです。そして、セールスオペレーションとしては、フィールドセールスが「クライアントへの価値提案」に集中できるよう、リストづくりやトスアップの機能を切り分けて組織化しました。モバイル向けや広告代理店などの専門チームも矢継ぎ早に作っていきました。

――営業に関して、幅広くご経験されたのですね。

営業組織の構築をほとんどのチャネルで経験したという実感があります。米国はともかく、当時は欧州などのチームは新規獲得営業のオペレーションづくりにまだ苦戦していたので、タイミングもあったのでしょう。各国のトップ層が興味をもってくれて、日本のオペレーションが一気にグローバルに展開できました。それが私のキャリアにとっての大きなマイルストーンであることは違いないですね。

――その後、freeeに転職されています。

マネージャーに抜擢してくれた野澤さんには恩義を感じていて、「野澤さんが困ったら、呼んでください」と言ってあったんです。その野澤さんがfreeeに移られてしばらくたったある日、「それが今なんだ」といわれて、翌日には会社に辞意を伝えました。

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