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常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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The Model×Salesforceで営業を効率化 ミスミの新規事業meviyが挑む仕組みづくり

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標準化・一元化・自動化が活用の柱 Salesforceスキルは必須の時代に

――ミスミさんならではのThe Modelをどのように急速に進めていったのでしょう。

深田 せっかくSalesforceという素晴らしい武器を持っているのに、十分な活用ができていなかったことをあらためるべく、「標準化」「一元化」「自動化」の3つの柱をベースに開発を進めていくことにしました。

 まずは標準化です。今までは営業担当者が見込み客の開拓から購入後のフォローまでを幅広く担当していました。これでは営業の負担が増える一方ですから、The Modelをベースに役割分担を明確にし、「このステージにいるお客様には誰が何をするのか」を定義して標準化していきました。

 お客様のステージに合わせて担当者が引き継いでアクションをしていくので、フォローの漏れがなくなり、業務の流れもスムーズになります。また、営業業務をステージで分けて標準化することは、人を育てることにも有効です。役割を明確にして業務をある程度絞ることで、人材が早く育ち、即戦力になっていきます。

 

 一元化は、情報基盤を統合し、業務の効率化を目指すものです。当時のmeviyカンパニーはベンチャー企業のような状態で、複数の業務が同時に進行していました。常にシステムやファイルが付け足されていくことでデータが複雑になっており、業務に必要な情報を集めるために、複数のシステムにアクセスする必要がありました。この無駄をなくし効率化するために、Salesforceを中心に情報の一元化を行いました。

 

 Salesforceで情報を一元化することで、お客様に電話をかけるときの事前調査の時間が短縮されています。以前は1件あたり30分ほどかかっていたのが、10分ほどになりました。生産性が劇的に向上し、お客様へのコンタクト数も大きく増加しました。

 
株式会社ミスミグループ本社 ID企業体 マーケティング推進室/リーダー 深田武晴さん

  自動化については、MA(マーケティングオートメーション)のPardotを活用したナーチャリングの自動化に取り組みました。シナリオというものを組んで、お客様の行動に合わせた自動メール送信を実現しています。以前はナーチャリング用のシナリオが10個程度で、しかもデータが分断していたためターゲットとなるお客様の細かいリスト化や調整ができない状態でした。今回、情報基盤を統合することでターゲットを絞る軸を増やすことができ、お客様がどの状態にいるのかがデータでわかるようになったため、そのタイミングに合わせてシナリオを活用できるようになりました。今では約30本のシナリオが自動的に回る状態になっています。

 

 事業が急成長していくとき、どこかの時点でやり方を変える必要があります。私はちょうど、個の力に頼ったスピード重視のやり方から、組織としてスケールしていくやり方への転換点を経験でき、この転換点においてThe Modelの仕組みの導入は非常にうまくフィットしたと感じています。

――Salesforceを使って良かったと感じた点について教えてください。

深田 Salesforceは、営業・マーケティング組織にとってデファクトスタンダードのツールになりつつありますから、使いこなすスキルを持っていれば転職やキャリアチェンジしてもすぐに戦力になる営業・マーケターになることができるはずです。単に記録を残すだけでなく、自分でいろいろとアイデアを考えて形にできるツールであるSalesforceを使えることは、自社の営業やマーケティングメンバーのキャリアを考えても、身につけておくべき必須スキルであると感じています。

吉田 個人的に、BtoBの営業・マーケティングのために作られているツールはまだまだ少ないと感じています。BtoBの取引は非常に複雑で、企業と個人の紐づけをしっかりデータとして残していかなければなりません。Salesforceでは標準の機能ですから、経営者から見ても非常に使いやすいです。

――ミスミさんは戦略的にSalesforceを活用すると決め、ビジネスを効率的に回すことを実現しました。これだけ活用し成果を得られた理由は何でしょう。

吉田 経営の観点では、The Modelの考え方、フレームワークに尽きると思っています。これは、ものづくりのプロセスに非常に近い考え方なのです。受注やお客様の数がものすごく増えていき、ベンチャーのような自転車操業のフェーズから、組織的に体系立ててお客様に対応していく変化の中で、The Modelがとても腹落ちしました。

――今年は新型コロナ感染症の拡大対策で、たいへんな思いをしている企業も多いと思うのですが、ミスミさんはいかがでしたか。

吉田 新型コロナの影響で、私たちもお客様も業務がリモートにシフトしていきました。ただ、meviyを利用することで出社せずともお客様はクラウド経由で部品を発注できます。営業活動もリモートでの商談が基本になっていますが、そういった意味でも、場所に縛られない働き方にSalesforceのクラウドシステムが大きく寄与しています。

――最後に、新しい営業の仕組みにチャレンジしている方々に向けて、アドバイスやメッセージをいただきたいと思います。

深田 システム構築や運用の担当者は、調整ごとも多く、社内のユーザーからは反発を受けることもあり、正直最初はあまりワクワクしないかもしれません。しかし、マーケティングの観点では、必要なデータが入手できずに効果測定に時間がかかってしまうことは避けたいですよね。初めは苦しいこともあるかもしれませんが、半年、1年間がんばって、欲しいデータがすぐ手に入るシステムを作り上げることができれば、時間を有意義に使えます。Salesforceを中心にした営業・マーケティングのシステムを作っていくことができれば、組織にとってもきっと良い未来が待っていると思います。

吉田 私たちは、The Modelの概念にもとづき、標準化・一元化・自動化の3本柱とSalesforceの活用で営業スキーム、営業プロセスを大きく変革しました。結果、meviyのユーザーは5万人を突破、対前年比で3倍と急拡大することに大きく貢献できたと思います。根源にあったのは、きちんと自社の営業のスタイルやプロセスがどうあるべきかを顧客目線で考え直すきっかけを得られたことでした。The ModelとSalesforceを導入すれば、自分たちの業務を効率化でき、労働生産性を上げることでサービス開発や顧客との時間を長く持つことができるようになりますから、必ず企業としての競争力を上げることができるはずです。

 

――製造業ならではの視点と、変化への柔軟な姿勢が非常に勉強になりました。これからのSalesforce活用の深化も楽しみです。本日はありがとうございました!

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 今回インタビューした吉田さんは、先日開催された「Salesforce Live Sales & Service」にも登壇! その際のオンデマンド動画が公開されました。さらに詳しくミスミの営業改革を知りたい方は、ぜひこちらのページ下部からお申し込みのうえご覧ください。

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

吉澤亨史(ヨシザワコウジ)

元自動車整備士。整備工場やガソリンスタンド所長などを経て、1996年にフリーランスライターとして独立。以後、雑誌やWebを中心に執筆活動を行う。パソコン、周辺機器、ソフトウェア、携帯電話、セキュリティ、エンタープライズ系など幅広い分野に対応。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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