ユーソナーは、業務用食材卸企業の久世におけるユーソナーサービスの導入が決定したことを発表した。

導入の背景と目的
食品卸企業である久世では、業界全体の構造変化に対応すべく、ワンチーム営業体制の構築を喫緊の経営課題として位置づけていた。これまで営業活動や名刺管理は属人的な運用にとどまり、成果も一部のハイパフォーマーに偏っていたことから、営業プロセスの可視化や、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスなどへと分業を推進するなど、組織全体での成果の底上げが求められていた。
これらの課題を解決するため、同社の経営戦略推進室DX推進では、利用しているkintoneを「管理ツール」ではなく「顧客満足と利益を最大化する仕組み」として再定義し、受注に至るまでのプロセスを正確に可視化し、再現可能なものにする体制の構築に着手した。まずは顧客データベース内の情報の重複や陳腐化を解消し、顧客データ基盤を整える必要があった。その企業データを有効活用し、営業が収益を上げられる仕組み(リードタイムの短縮)を構想した。
以上を踏まえ、kintone内の企業データを飲食店などの拠点単位で名寄せできる点、全国820万件を網羅した企業データベース「LBC」を評価し、ユーソナーの採用に至った。
導入による利点

1.営業部門
営業部門では、LBCにより整備された顧客データ基盤をもとに、「顧客を深く理解する」既存営業と、「顧客の業容を考え提案する」新規営業の両面でユーソナーを活用している。既存営業では、チェーンやグループ企業の店舗単位での取引状況を可視化できるため、すでに取引がある企業の未開拓拠点へのアプローチが可能になった。また「要注意」情報や評点も併せて活用することで、営業リソースの最適配分につながっている。新規営業では、企業情報&名刺管理アプリ「mソナー」を活用。個人経営の飲食店情報も管理できる点に加え、企業検索ができ、商談前に詳細情報を把握できる。情報収集の効率化と営業スキルの平準化に貢献している。
2.商品部門・マーケティング部門
ネット社会において、買い手側による購入前の調査・評価が重要な意思決定の要素になっている。久世の商品部門・マーケティング部門では、自社のホームページに来訪した企業を可視化する「ライブアクセス」機能を活用。ライブアクセスを活用することで、「どの企業が、自社サイトのどのページを閲覧しているか」をリアルタイムで可視化することができ、より多くの顧客接点を持てるようになった。
3.その他部門
その他部門では、これまで営業部門と別々に管理されていた顧客コードを、ユーソナーが付与するLBCコードによって統一、名寄せできるようになり、煩雑だった照合作業の工数が削減された。また「評点情報」を活用することで、取引においてリスクのある企業を事前に把握でき、与信判断や取引可否の判断がよりスムーズになった。さらに、これまで個別にインターネットで検索していた企業調査も、ユーソナー上で企業の基本情報から財務・関係会社情報までを一覧で確認できるため、情報収集の手間を削減。結果として、調査・管理業務全体の効率化と生産性の向上に貢献している。
久世 代表取締役社長 久世真也氏のコメント
これまで当社では、ひとりひとりの持って生まれた勘や経験に頼った営業が中心でしたが、ユーソナーを導入したことで、顧客データの活用基盤を整えることができました。拠点単位・グループ単位での企業データ活用が可能になったため、より戦略的かつ再現性のある営業活動が実現できると期待しています。歴史ある企業としての信頼を大切にしつつ、食品業界の変革を支える一企業として、お客様と働く皆さんにとってより便利な企業に成長できるよう挑戦してまいります。