動画学習への投資を加速 変化を恐れず失敗を推奨する環境づくりを
――すべてをオープンにするということが、逆に安心感につながっているんですね。
そうですね。コロナ禍の顔を合わせられない状況では、何をやっているかがクリアに見えること自体が互いの安心につながると考えています。特にマネジメント層にとっては、リモート環境下で部下の営業活動を理解することは必須です。実際、マネジメント研修では必ず「部下のカレンダーを毎日見なさい」と言うのですが、スケジュールを見ると、効率の良し悪しや指導すべきポイント、場合によってはメンタルの変化にも気づくことができるんです。
とはいえ、かつてのオフラインコミュニケーションに価値があったたことも確かです。すべてがオンライン化される時代に、データ化や可視化の必然性が高まったとも言えますが、正解はありませんから育成やマネジメントの新しいやり方は常に模索し続けなくてはいけないと考えています。
一方、ビフォア・コロナから取り組んでいてよかったことのひとつが、「Enablement TV」という動画学習プラットフォームの提供です。昨年から本格的に始め、知見やコンテンツもたまっていたため、そこにコンテンツを乗せていけばいいという状況が整っていました。投資もしっかりしてきたからこそ、結果的にセールス・イネーブルメントのプロセスもコロナ禍で速やかにオンラインに移行でき、採用や業績も大きな影響を受けることなくここまで来ることができました。動画学習は、好きなタイミングで繰り返し見て、真似をしながら吸収することによって効率的にスキルを身につけられるという特徴があり、今後も投資をして強化する予定です。
――最後に、セールスをとりまく環境が大きく変化する中でチャレンジしようとする組織にメッセージをお願いします。
お客様からも「いつ元に戻るかな」という声をいただくことがありますが、コロナ以前の状況に戻るバック・トゥ・ノーマルはないと考えたほうが良いと思います。戻らないと思って変化を受け入れ、自分たちが変わっていくほうが、結果的に効率も良いはずです。
そして、失敗を推奨する環境をどんどんつくってほしいですね。失敗を責めたり、失敗によって評価が下がったりというプレッシャーがある環境では、イノベーションは生まれません。実際私がお会いしてすごいなと思う企業は、トップの方が「どんどん失敗しなさい」ということを自ら発信されています。
おすすめの方法は、スローガンなどの言い続ける言葉をまずは決めること。そして、その言葉を実践する行動を同じく決めます。それをどのくらいの頻度で口に出すか? 行動して見せるか? を決め、毎朝、毎夕と時間を決めて記録するんです。3ヵ月続ければ、必ずそれがカルチャーに変わり、組織が変わった実感を持てると思います。誰も正解をもっていない中では、失敗から正解の道筋をつくる以外に方法はありませんから。
――組織の継続的な成長を実現するセールス・イネーブルメントを進めるために、明日からマネージャーが意識すべきことのヒントが得られたと思います。ありがとうございました!
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