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キャリアの空白は心にぽっかり穴をあける――駐在妻夫によるインサイドセールス支援事業、始動のワケ

2020/10/26 07:00

 営業という仕事が好きでも、長いスパンのキャリア形成に悩む人も多いのではないだろうか。営業とコールセンターの業務で14年間経験を積んだ崎田裕子さん(仮名)は、現在家族の仕事の都合に合わせ東南アジアへ海外帯同している。同じく海外帯同している人たちへのコーチングを行うなかで、せっかくキャリアを積んできた人でも「空白期間」に自信をなくして思い悩んでいることを知った崎田さんが立ち上げたのが「駐在妻・夫によるインサイドセールス支援」のサービスだ。崎田さんの営業キャリアやコールセンター業務で培ったスキル、熱い営業へのおもいをうかがった。

出産後の女性営業は活躍しづらかった 成果を出せる働き方を自ら提案

――営業時代のキャリアについて教えてください。

新卒でリクルートの人材系の会社に入社しました。26歳で産休に入るまでの5年間は法人営業として、伝統的な街中での「名刺交換キャンペーン」や「ビル倒し」の飛び込み営業に始まり、渋谷のIT企業を開拓する新規営業を2年経験したのち、大手企業の営業担当となり拡販などを担当しました。3人くらいの小さなベンチャー企業から日本を代表する大企業まで、トータルで200社くらいのお客様の営業を担当したことになります。

大学生のころはアルバイトもしたことがなく、「人と人のマッチング、素敵!」くらいのふんわりとした気持ちで入社したため、「泥臭い営業職」に配属され最初はかなりショックを受けました(笑)。新規の営業をすることがどうも恥ずかしく、お客様にきつい意見をもらっては働くことの厳しさを実感し、入社半年くらいは非常階段でよく泣いていた記憶があります。

――それでも、大手企業の営業担当になっていかれて順調に営業のキャリアを積まれていらっしゃいます。楽しく思えるようになったきっかけはありますか。

模範解答ではないと思うのですが、「お客様との会話が楽しい」「お客様への価値提供に意義を感じる」……のではなく、成果をしっかり出せば社内で意見を聞いてもらえるようになるな、とゲームのような楽しさを感じたことが楽しめるようになったきっかけでした。ダイレクトにインセンティブももらえる会社で稼ぐ喜びもあり、初めの2年は「こんなに売れた」「表彰された」とか、自身の成果を面白がるタイプでした。

 
崎田裕子さん(仮名)

でも、それだけでは十何年も働き続けられませんよね。4年めに入ったころにようやく、自分の営業ナレッジを後輩に共有したら「お客様と良い話ができました!」と言ってもらえたことや、求職者やお客様から「あなたが担当だったから」と感謝されることが嬉しく感じられてきたんです。ゲームに飽きたころに、自分の介在価値を感じる喜びに目覚めることができました。

14年間の会社勤めのなかで産休と育休は2回取得しました。ワーキングマザーになるタイミングでは上司に「働き続けたい」という希望と、「育児と両立してもきちんと成果が出せる職種に異動させてもらう」ことを伝え、自ら交渉しました。子どもを産んだ女性営業は現場からドロップアウトしているという現実もありました。私は同期のなかでいちばん最初に出産したのですが、育児と仕事を器用に両立している先輩がいなかったからこそ、厚顔無恥に新しいキャリアを提案しやすかったのかもしれません。当時は、足で稼ぐ営業がまだまだメインで、産休・育休後に時短で働く女性営業のキャリアパスが存在していなかったんです。

交渉の末、求職者の皆さん側とコミュニケーションをとり、企業とのマッチングを加速させるコールセンターに異動しアウトバンドの電話営業を担当しました。その業務を続けながらも、集客の企画をしたり、新規事業としてアルバイト30人の部隊で編成した24時間のコールセンターを立ち上げたりしていました。最終的にはその経験を活かし、札幌に150人規模のコールセンターをゼロから立ち上げる事業に3年間携わり、より多くのスタッフさんと営業がコミュニケーションをとれる仕組みをつくりあげました。

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