大企業からなぜ転職? きっかけは危機感だった
──富澤さんの現在のお仕事と役割についてお聞かせください。
「現場DXプラットフォーム」を提供するカミナシの営業部長としてインサイドセールスとフィールドセールスを管轄しています。2020年にふたりめの営業職として入社し、インサイドセールスのプレイヤーとして活動しながら、営業組織づくりも任されてきました。
──新卒で大企業に入社し、ベンチャーを経て現在はスタートアップと、一貫して営業のキャリアを歩まれています。キャリアの中でぶつかった壁や、挑戦したことを教えてください。
実は初めから営業職を希望していたわけではありません。新卒で入社した帝人は多角的に事業を展開しており、キャリアの選択肢も広かったため「何か見つかるのではないか」と思って選びました。MRとして配属され、競合と差別化するためにプレゼンテーションに力を入れるなど、自分なりにトライ&エラーを繰り返し、売上も安定して上げられるようになっていきました。
しかし5年ほど経ったころ、ふと今後のキャリアに危機感を抱き「営業としての介在価値をもっと発揮できる場がないか」と考えるようになりました。MRが売る“薬”という製品はその性質上、お客様からいただいたフィードバックが反映されるのは何年も先。もう少し“手触り感”のある仕事がしてみたいと思ったのです。そこで2社めに選んだのが、医療・介護・ヘルスケア領域で新規事業を展開していたエス・エム・エスでした。
成長真っ只中のベンチャー企業ということもあり、自分もその勢いに揉まれるかたちで成長できたように思います。新規事業の立ち上げ、そこから数億円規模に成長させるまで伴走するなど、さまざまな経験を積みました。まさに人生の転機になったと思います。
──そして、2020年10月にカミナシへ転職されています。
エス・エム・エスは戦略も仕組みも強く、成長路線上にありました。5年間勤める中で多くの学びを得て、次は「強い組織を、自分の手でゼロからつくってみたい」と考えるようになったんです。そこでスタートアップを探していたところ、カミナシCEOの諸岡が書いたnoteの記事に出会い、日々の成果に向き合いながら泥臭く格闘している姿に惹かれました。
普通、企業が自社のことを発信するとなると、成功したことや良いところを書くことが多いじゃないですか。けれども、諸岡のnoteは失敗をオープンにしていて、難しさや課題感をさらけ出していたんですよ。四苦八苦しながら取り組んでいるのが大変そうだけど面白そうだと感じ、自分がカミナシで働いている姿も鮮明にイメージすることができたため、入社を決めました。