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激変する環境にどう対応するべきか? 新時代の「営業プロセスマネジメント」11の提言/前編

 新型コロナウイルスの感染拡大は未だ収束の目途が立たたず長期化が予想される。コロナ前の状態に戻ることを願って待っていても問題は解決しない。環境の大きな変化に合わせて、人の意識も変わりつつある。本連載ではいまこそ求められる新しい時代の「営業プロセスマネジメント」について考えたい。

そもそも「営業プロセスマネジメント」とは何か

 そもそも「営業プロセスマネジメント」は、製造業の生産ラインにおいて行われた工程管理としての「プロセスマネジメント」に起因する。その概念を日本ではじめて営業に取り入れることを提唱したのが、当社ソフトブレーングループ創業者の宋文洲氏だ。

 パン工場で例えると、水・小麦粉・イースト菌などの材料搬入後に「配合→こねる→発酵→焼く」という各工程(プロセス、手順)を経てパンは出荷されることになる。「プロセスマネジメント」とは、高品質の「おいしいパン」という結果を安定してより多く、よりスピーディーに生産し出荷し続けるための仕組みである。

 

 各工程においては、それぞれ適切に業務遂行されているかどうかを判断するために、配合なら「割合」、こねるなら「回数」、発酵なら「時間」、焼くなら「温度」、など先行管理指標(KPI)が設定されている。そこには、「ちゃんと配合しろ」「しっかりこねなさい」などの感覚的曖昧さはなく、「ちゃんと」や「しっかり」の中身が具体的に数値化され指標として設定されている。事実、あるパン工場においても、機械でこねられた生地に適切に空気を入れるために「手で5回こねる」というマニュアルが存在する。

 営業にも同様にプロセスが存在する。ターゲット顧客を抽出し、面談し、興味関心を高め引き合いを頂戴し案件化し、顧客要望を聞き、それに合致した提案をし、見積もりを出し、競合を排除して内示いただき受注・契約を獲得する……というのが一般的な営業プロセスだ。プロセス毎に、アポ率、案件化率、成約率などのKPIがある。

 結果だけを管理しても、必ずしも望むような結果は出ない。望んだ結果に至るには、そのためのプロセス(工程、手順)を踏む必要がある。結果はプロセスの延長である。マネジメントにおいては結果や人間の管理だけではなく、プロセスの管理が重要なのである。「営業プロセスマネジメント」とは、目標から逆算して成果につながる営業プロセス設計をし、プロセスを管理することで、結果を最大化するマネジメント手法のことだ。

 その実現のためには、営業活動を分解・可視化し、そのプロセスを標準化する必要がある。営業プロセスの計画・実行・計測・分析・改善(G-PDCA:後述する)を行う「営業プロセスマネジメント」とは、つまり再現性および検証性のある「科学的組織営業手法」のことだ。

営業プロセスマネジメントにおける問題点

 ところが、営業プロセスに基づく問題点が見える化されていない企業は未だに多い。一定の営業プロセスマネジメントの理解の浸透と、SFA/CRM等のツールの普及により、営業活動をプロセス分解している企業は実に6割以上に及ぶが、KPIを設定して営業プロセスマネジメントにおいてPDCAサイクルを回すことができている企業は半数にも満たない。

 たしかに、営業においても結果は重要である。営業の重要な役割のひとつは、顧客からの受注を獲得し、売上を上げ、利益を上げること。企業倒産はさまざまあるなかで、「販売不振」が要因の倒産は近年80%前後の高水準で推移しており、営業が企業経営の生命線を握っていることがわかる。それゆえにどうしても結果自体だけを管理しがちなのだ。しかし、これでは結果主義となり、営業組織は個人商店化されるか、感覚的かつ精神論でのマネジメントに陥り、安定して高い成果を出し続けることは困難となる。

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