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企業の競争力を高める「営業DX」とは? 日本の営業組織の未来を探る powered by SalesZine

2024年4月18日(木)14:00~15:30

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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職場の女性の本音、理解できていますか? 「今を熱く生きる」女性の力を引き出す並走型マネジメント

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 日本企業の管理職のうち、女性は13%。役員では3.7%と、諸外国に比べて圧倒的に低い状態が続いています。サマンサタバサで長年活躍してきた世永亜実さんは、男性中心の会社で女性の力がうまく引き出せていないのではないかと危惧します。そんな世永さんが職場のリーダーのために、女性の本音を知り、やる気スイッチを押す方法を解説した『発想の転換で読み解く働く女性のやる気スイッチ』(翔泳社)が発売中です。今回は本書から「第1章 働く女性の心を読み解く」を紹介します。

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本記事は『発想の転換で読み解く働く女性のやる気スイッチ 持てる力を120%引き出す並走型マネジメント』の「第1章 働く女性の心を読み解く」から抜粋したものです。掲載にあたり一部を編集しています。

1-1 女性は「今を熱く」生きたいと思っている

男性は頂上に登りたがるが、女性は頂上までの「心揺さぶる道のり」を求める

 人はよくキャリアを山登りに例えます。長く険しい道のり、緩やかな道のり、急斜面を登ったり、曲がりくねったり。走って登る人もいれば途中で休む人もいて、それぞれのペースで山頂を目指していきます。

 その山登りにおいて、男性は頂を目指し、いかに高い山を登れるかに闘志を燃やす。一方で女性は、日々登っていく道が心揺さぶるものに溢れていて、それが誰かの心を素敵にできたらいいな、と思いながら歩く。もちろん仕事との向き合い方は人それぞれなのですが、これまでたくさんの働く男性や女性を見てきて、そのように思うのです。

 女性にとっては、一日一日を一歩一歩のように進み、少しずつ「素敵」を見つけて、気づいたら頂上に着いていた、というのが理想。

 そんな女性たちの姿は、のんきなお花摘みをしているように見えるかもしれません。女性は昇進したがらない、上を目指していない、男性のように仕事に熱くない――。そう感じられるかもしれません。

 でもそれは、「熱さの種類が違うだけ」だと私はとらえています。昇進を目指してがんばるより、目の前のことをがんばっていたら昇進というごほうびがもらえた、というのを求める女性が多いのです。

 女性は、「今を熱く」生きている。そう考えれば、女性たちの仕事への姿勢やモチベーションが読み解けるのではないかと思っています。

女性の人生は、決断の連続

 では、なぜ女性は「今を熱く」生きているのか。それは、女性の人生はいつ何が起きるかわからないからです。

 結婚、妊娠、出産、子どもの受験、夫の転勤、親の介護……。女性の人生は、決断を迫られてばかりです。

 自分だけでなく、夫や子ども、親など周囲の人に関わる理由で、仕事を続けるか否か、どう続けるかについて、何らかの決断を余儀なくされることが多々あります。

 男性だって同じかもしれませんが、女性が男性と決定的に違うのは、出産が人生の選択肢としてあることです。もちろん結婚も出産もしない女性もいれば、たっぷり育休をとったり主夫になったりする男性もいるので、単純な二項対立ではありません。

 ただ、自分が見てきた限りでは、「プライベートの充実より仕事が優先!」と言っているような女性でも、じっくり話を聞いてみると、実はいずれは結婚して子どもがほしいと思っていたりします。また、独身でも、子どもがいなくても、家族の介護などさまざまな事情を抱える人もいます。

 1週間後には妊娠が判明するかもしれない。急に夫が転勤になるかもしれない。家族が急に介護を必要とするかもしれない。そして、その時にはできる限り家族の力になりたいと思っている。それが女性の現実です。

 たとえ未婚の女性であっても、彼氏が急に海外転勤になり、すぐ結婚して一緒についていくために退職する、というのは実はよくある話です。

 仕事では他の社員という「代わり」がいるのに対し、家族やプライベートに関わることには、代わりはいません。仕事を軽視しているのではなく、自分の人生を左右するような決断にいつ迫られるかわからないという思いを抱えながら、仕事に向かっているのです。だからこそ、後悔のない「今」を過ごしたい

 もちろんすべての女性がそうだとは言いませんが、女性には女性なりの「熱さ」があるということをマネジャーが理解してあげるだけでも、彼女たちの働きやすさは違ってくるはずです。

1-2 女性社員が9割のサマンサタバサ、急成長の要因は「熱量」だった

圧倒的な熱量で、どんな相手でも味方にする

 そんな「今を熱く」生きる女性たちの存在が、組織としての成長にうまく結びついたのがサマンサタバサでした。

 サマンサタバサは、私が在籍した17年間で急成長を遂げました。特に、私が入社した2002年から6年間で、売上高が約52億円から約272億円へと5倍以上増加しています。

 その成長の理由を分析するとしたら、圧倒的な熱量にあると思っています。

 サマンサタバサは、国内外問わず多くのセレブリティを広告モデルに起用してきました。

 どんなに有名な人でも、国籍が違っていても、立場が違っていても、みんな同じ人間です。相手がグラミー賞歌手であっても、何をしてほしいのか、何を望んでいるのかを必死に考え、行動していると相手の心が動く。その信念のもと、「ここまでやるのか」というほど熱を注ぐのがサマンサタバサの女性たちでした。

 まずは、そのセレブが登場している本や雑誌にすべて目を通します。今ハマっていることは何か、最近食べておいしかったものは何か、どんな映画が好きか、何色が好きか。

 そうやって集めた情報や、本人の風貌やファッションから、どんどん連想していきます。

 どんな食事を用意するか、移動中にどんな音楽をかけるか、どんなホテルに宿泊してもらうか、どんなプレゼントを用意するか、休憩中の雑誌や飲み物を何にするか。すべて入念なリサーチをした上で、真剣に考えて用意します。

 空港にお迎えに行く際は、スタッフ全員が爪の先から当日のファッションまで、その人に喜んでもらえる姿に変身します。

 ご本人がアーティストで、例えば最新アルバムのジャケットに星のモチーフが使われていたなら、イベント会場を星のモチーフで飾る。ご本人がメガネ好きを公言していたら、スタッフ全員でメガネをかけてお出迎えする。

 私たちの熱が伝わって、どんな大物のセレブでも次第に距離が縮まり、信頼関係が生まれて、いい仕事ができます

 今まで数々のそうそうたるセレブを起用してきましたが、一度もドタキャンされず、いい結果を残せているのは、この信頼関係から来ていると思います。

 ちょっと過剰だと思われるかもしれませんが、サマンサタバサの女性たちはこうして走り続け、結果を出し、その過程で成長し、成長したことで喜びを手にしてきました。

 20代の若い女性たちが大半を占めるのに離職率がきわめて低かったのも、サマンサタバサ自体が急成長を遂げたのも、原因は女性たちがその「熱さ」を存分に発揮できたからだと思っています。

1-3 そもそもなぜ対女性マネジメントが必要とされているのか

女性の活躍で、GDPは7兆円アップ

 ここまで、働く女性が「今を熱く」生きていること、そしてその「熱さ」がサマンサタバサの急成長と結びついたことをお伝えしてきました。

 そんな女性たちをマネジャーはどうリードしていけばいいかというお話をする前に、そもそもなぜ対女性マネジメントが必要とされているのか、考えてみたいと思います。

 人口の半分は女性だから、というのが最もシンプルな答えです。半数が女性なら、女性が生き生きとハッピーに働ける方法を考えるのは当然のことだと思うのです。

 総務省統計局によると、女性の就業率は2009年の46.2%から2019年には52.2%に上昇しています。働く女性は増える一方なのです。

 というのも日本は今、未曾有の労働力不足の時代を迎えています。2030年には、7073万人の労働需要に対して供給できるのは6429万人程度だと言われています。つまり、644万人もの労働人口が不足するわけです(パーソル総合研究所調べ)。

2030年には644万人の人手不足に
2030年には644万人の人手不足に

 この人手不足を解消する上で大きな役割を担うのが、女性たちです。

 この調査によると、女性の就業率が25~49歳の間に低下する「M字カーブ」が解消されれば、102万人の労働力が補われるそうです。

 内閣府の男女共同参画会議が予測したところによると、働く意欲がありながら就業していない女性が働くことで、GDPを約1.5%も押し上げる効果が期待できるそうです。これは約7兆円に相当します。

 人手不足を解消するために働き盛りの女性の離職を防ぐことが求められていて、実際に職場の女性は増えている。だからこそ、対女性マネジメントが必要とされているのです。

あまりにも少ない日本の女性管理職

 また、経済産業省の統計によれば、日本の就業者に占める女性の割合を見ると、英国やフランス、米国やスウェーデンなどの欧米先進国と大差ないものの、管理職の女性比率となると一気に下がってしまいます。4国が33~43%であるのに対し、日本は13%。役員に至っては、3.7%と1桁台です。

日本では、管理職や役員に占める女性の比率が低い
日本では、管理職や役員に占める女性の比率が低い

 30歳から執行役員として仕事をしてきた私にとっても、とても残念な数値です。

 海外のスタッフと仕事をすると、女性のリーダーが当たり前のようにいて、しかもワーキングマザーだったりします。それは特別なことではないので、日本の現状を見るとまだまだだなという思いはあります。

 しかし、単に女性の採用を増やすだけ、女性を名ばかりの管理職に昇進させるだけでは問題が解決しない。きっとみなさんが実感していることだと思います。

「採用を増やしてもすぐ辞められてしまう」
「女性の管理職比率を増やせと言われているけれど、そもそも本人たちが昇進したがらないし」

 という声もよく聞かれます。

 女性の離職者を減らしたり管理職を増やしたりするためには、制度面で整えなくてはならないこともたくさんあります。

 しかし、それに関しては制度の専門家が書いている他の本に譲るとして、本書では、女性が「仕事を辞めたくない」「管理職をやってみたい」と思うほど仕事に夢中になる”スイッチ”について、そしてそのために必要な発想の転換について考えていきたいと思います。

第1章 まとめ

●男性は頂を目指すけれど女性は一歩一歩の道のりに心動かすワクワクを日々見つけながら進んでいく。

●女性は「今」に100%を捧げる。明日は何があるかわからないから、目の前のことに全力投球。

●相手が誰であっても、熱が伝われば心が動く。結果を出せれば、次につながる。

発想の転換で読み解く働く女性のやる気スイッチ

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発想の転換で読み解く働く女性のやる気スイッチ
持てる力を120%引き出す並走型マネジメント

著者:世永亜実
発売日:2020年7月13日(月)
価格:1,600円+税

本書について

社員の平均年齢27歳、女性9割のサマンサタバサで、執行役員を10年以上務めてわかった、女性が生き生きと働くためにリーダーができるすべてのこと。

 

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