オープンソースの研修の場「CSカレッジ」
――ABEJAのカスタマーサクセスになるまでのキャリアについて教えてください。
学生時代はIoTの研究開発をしており、それ以外には塾講師や海外インターンなどを経験しました。自分の関心軸はそのころから「IT」「育成支援」「グローバル」にあります。学生時代にチャレンジした起業がうまくいかなかったので、きちんとビジネスを学ぶべくクレディ・スイス証券へ入社し、証券アナリストとして楽天やDeNAなどのITベンチャーが売上を伸ばす時代にIT業界を担当する経験を得ました。やはりITビジネスは面白いという気持ちも高まり、大学の先輩と動画広告のクリエイティブをクラウドソーシングでつくるような会社を立ち上げました。しばらくして事業は譲渡し、興味関心のさらに強いところに軸足を置いていこうと、人材の育成や組織開発の経験ができるコンサルへ転職しました。
いかに大企業の中でリーダーを育てイノベーションを起こしていくかということをいちから学んだのですが、育成はけっこう時間がかかります。もっとテクノロジーを使うことでより早く、広い範囲に影響を与えるような仕事にもチャレンジできないかとシンガポールで転職活動していたころに、ABEJAと出会いました。「AIで人や社会を変えていく、その最先端を一緒に走らないかと」と声をかけてもらい、ジョインすることを決めました。
――さまざまなキャリアを重ねていらっしゃいますが、ABEJA入社時はカスタマーサクセスを希望されたのですか?
最初は希望していたわけではなかったのですが、自分のやりたいことややってきたこと、当社のカスタマーサクセスに求められていることがマッチしたので、チャレンジしてみることにしたのです。CanとWillとShouldのベン図がきれいにマッチしていると思えました。
――丸田さんは、社内での業務に加えて「CSカレッジ」というコミュニティも運営されていますよね。
僕がカスタマーサクセスについて学び始めたとき、情報ソースがまったくありませんでした。日本語の本は1冊しかなく、イベントはほとんどない。検索しても何も出てこないので、英語のソースから学ぶしかありませんでした。現在はイベントも増えてきて、インプットの場はある程度用意されています。一方で、カスタマーサクセスの知見をアウトプットするオープンソースの研修のような場はまだあまりないなと思い、自分がやってきたことをコミュニティに落として提供できる場をつくろうと考え、「CSカレッジ」を立ち上げました。
――CSカレッジを運営していくなかで、カスタマーサクセスの方々に変化はありますか?
学んだことを実際の業務にもっと活かしたいという「学びの第2ステップ」のフェーズへと変化してきている方が増えています。事例を自社の業務にどう落とし、成果につなげるかに悩んでいらっしゃいますね。CSカレッジではそれに応えられる分科会もつくっていこうと思っています。あとは、僕も会社員なので現状1~2社までですが、コミュニティで学んだことを実現してもらうためのプチコンサルを無償で行ってみています。CSカレッジで学んだことをより実践的なものにしてもらうチャレンジの真っ最中ですね。