「顧客起点」でおこなう営業手法「インテントセールス」を実現する「Sales Marker(セールスマーカー)」を開発・提供するSales Markerは、インテントマーケティングSaaS「Marketing Marker(マーケティングマーカー)」の提供を開始した。
Marketing Markerは、インテント(興味・関心)データを活用し、自社に興味がある企業や自社保有データ(ハウスリード)に加えて、未接点の潜在リードのインテントを可視化することで、的確なタイミングで最適なマーケティング活動の推進を実現。認知・ブランディングから商談化までをワンストップで支援し、マーケティング活動の効率化とROI(投資利益率)の最大化を後押しする。
開発の背景
BtoBサービスのウェブサイトにおける平均的なコンバージョン率(CVR)は約2%と言われている。さまざまな企業が潜在的にニーズを持つターゲット企業に自社を認知させることには成功している一方で、リード(見込み客)から商談獲得に至るプロセスに苦戦している。
その背景には、ターゲットとすべき業種の可視化や数値化が十分にできないため、適切なマーケティング施策を打ち出せず、ROI(投資利益率)やROAS(広告の費用対効果)を達成するための施策の優先順位づけができないという課題がある。さらに、顧客の70%以上が匿名のまま購買プロセスを進める傾向があるため、従来のBtoBマーケティング手法では顧客ニーズや検討段階の企業を的確に把握することが難しいとされてきた。
また、展示会やイベントで獲得したリードが十分に活用されず、自社を認知してもらっても商談に結びつかないケースも多発している。この結果、広告費用や顧客獲得コスト(CAC)が上昇し、収益性が圧迫されている。
「顧客の購買意図」の指標:「IPL」と「IQL」
従来のBtoBマーケティングでは、MAL(Marketing Accepted Lead)やMQL(Marketing Qualified Lead)といった「売り手視点」に基づく顧客分類が一般的だった。一方、インテントマーケティングでは「顧客起点」に立脚した分類として「IPL」と「IQL」を定義する。
IPL(Intent Potential Lead)
インターネットで特定のキーワードを直近2~3ヵ月以内に検索していることが確認でき、適切なアプローチによって商談獲得が見込まれる企業が該当する。インテントを持っている特定の企業情報やそこに属する複数の人物グループや部署が推定できている状態を指す。
IQL(Intent Qualified Lead)
インターネットで特定のキーワードを直近2~3営業日以内に検索している、かつ自社サイトに訪問していることが確認でき、適切なアプローチによって商談獲得が見込まれる企業が該当する。具体的には、インテントを持っている、かつ自社サイトに訪問した企業情報やそこに属する複数の人物グループや部署が推定できている状態を指す。再来訪時にパーソナライズ化したメッセージを提示することで、フォームからの問い合わせや具体的な商談への発展が期待される。
これらの指標により、従来型の売り手中心のアプローチから脱却し、顧客の購買意図に基づいた効率的なマーケティング施策が可能となる。
主な機能と利点
インテントデータを活用したリード管理
自社保有データ(ハウスリード)、インテントデータ、法人データベースを統合し、自社が提供価値を発揮できるキーワードを検索している企業を抽出。業種や企業規模を基にリードを効率的に管理する。
マーケット(IPL)の可視化 (※)
自社サイトに流入していないターゲット企業の中でインテントを持った企業の属性を分析し、業種や従業員規模などのデータを基に市場を可視化。これにより、より精度がある認知・ブランディング施策の立案・実行が可能となる。
マーケット(IQL)の可視化 (2024年12月リリース予定)
自社サイトに流入した企業やコンバージョンした企業の属性を分析し、業種や従業員規模などのデータを基に市場を可視化。これにより、より精度があるリードジェネレーション(見込み客を獲得するための活動)施策の立案・実行が可能となる。
インテントポップアップ機能
インテントデータと企業データベースを活用し、ランディングページ(LP)やサービスサイトでのポップアップの表示を自動で出し分けする。これにより、「ターゲット企業」からのCTR(クリック率)およびCVR(コンバージョン率)の向上を可能にする。
Marketing Markerは、顧客インテントを起点としたアプローチを通じて、効率的なリード管理と精度がある認知・ブランディング施策、リードジェネレーション施策を可能にする。
Sales Markerとの連携
「Marketing Marker」と「Sales Marker」を連携させて利用することで、BtoBマーケティングによるリードの可視化とアウトバウンドアプローチ(企業側から働きかける営業手法)による商談獲得の両方で商談機会の最大化・成約を支援する。両製品は、部署・人物情報のデータベースやUSP(※)診断データを共有し、より効果的な営業活動と成果を可能にする。
※USP(Unique Selling Proposition)とは、顧客のニーズがあり、競合が強みとしていない自社の強みを指す
Sales Marker 代表取締役CEO 小笠原氏のコメント
Marketing Markerは、BtoB企業の認知・ブランディング施策やリードジェネレーション施策などのマーケティング活動を変革し、事業成長を加速させるために生まれた革新的なプロダクトです。私たちが掲げるビジョン“Grow All Business”には、あらゆる企業が直面する課題を解決し、持続的な成長を実現するという強い思いが込められています。
BtoB営業やマーケティングの現場では、ターゲット企業のセグメンテーションと施策の定量的効果の可視化に課題が多く、成果につなげるまでに多くの時間や労力を要しています。Marketing Markerは、インテントデータを活用して潜在顧客の購買意図を的確に把握し、効率的かつ成果に直結するマーケティング活動を可能にします。
さらに、Sales Markerとの強力な連携により、マーケティングと営業のシームレスな統合を実現。これにより、単なるツールとしてではなく、企業の成長を加速させる経営基盤として機能することを目指しています。Marketing Markerを通じて、多くの企業がより顧客起点のマーケティング活動を展開し、持続的な事業成長の一助となることを願っています。