静岡銀行は、新営業支援システム「S-CRM(スクラム)」の稼働開始を発表した。同システムは、セールスフォース・ジャパンが提供するアプリケーションを、日本IBMが静岡銀行の要件にもとづき設計・開発。多様化・複雑化する顧客のニーズに迅速に応えるとともに業務の効率化・高度化を図る。
静岡銀行における従来の営業支援システムは取引先(法人・顧客)ごとに使用するシステムが分散しており、顧客情報や営業活動情報の共有・連携に課題を抱えていた。またグループ各社も同様に独自のシステムを利用していたことから、グループ内での情報共有や連携強化の観点からも業務の効率化・高度化を図る必要性があった。
このような背景から静岡銀行は、S-CRMの稼働を開始した。複数に分かれていたシステムをS-CRMに統合し、グループ各社での活用も可能とする。営業拠点・本部・グループ間でのシームレスな情報共有を図るとともに、ペーパレス化などの業務効率化にも注力する。
また、グループ全体で保有するデータをもとに、これまで可視化されていなかった顧客の潜在的なニーズを発掘し最適なソリューションの提供につなげるなど、グループ全体で付加価値の高い提案営業を目指す。静岡銀行では、同システムをタブレット端末や業務用スマートフォンにも導入した新たな働き方を通じて、年間14万8,000時間の業務時間の捻出を見込んでいる。
S-CRMのおもな機能
スケジュールの共有化
利用者全員のスケジュールが自身の端末から確認でき、関連部署やグループ会社を含めた即時のアポイント調整が可能。
テキスト化・音声録音
- 顧客との面談内容を音声登録・テキスト化することで日報入力などの事務作業を軽減。より多くの時間を顧客の課題解決支援に傾注できる体制を構築する。
- 電話セールスや重要事項の説明内容を録音することで、適切かつ十分な説明がなされているか検証し、内部管理体制の高度化を図る。
回覧機能
紙媒体で行っていた関連部署やグループ会社との情報連携において、ペーパレス化・即時共有化を図る。これにより、顧客に寄り添った提案営業にスピード感をもって対応する。