SFAは「分析」が大前提 仮説に基づき入力項目を設計
私が在籍していたキーエンスは「営業組織が強い」と言われることも多いですが、強い理由をふたつ挙げるとすれば、営業データの徹底的な蓄積と分析、そしてそれらのデータを基盤にしたアクションの実行の徹底だと考えてます。
営業データの蓄積・可視化・分析は重要と言われてはいるものの、効果的に営業データを活用できていない企業が多いのが実情ではないでしょうか。そこで鍵となるのが「SFAの運用」です。
SFAを活用するうえで重要なのは、分析・振り返りをする前提で設計することです。SFAを設計する際、やりがちなのは「なんとなく分析に使えそうだから」という理由で項目を増やしてしまうこと。やみくもにデータを蓄積しても有効活用できませんし、営業現場からしても、忙しい中でたいして使わないデータを入力させられるのはたまったものではありません。「このデータがあればこういう分析ができるから、入力項目にはこういう選択肢を設けよう」と、仮説を立ててSFAを設計しましょう。
仮説を立てるときには、個人や組織によってなぜ売上に差が生じているのか考えることも重要です。たとえばセールスメンバー・業種・ニーズ・企業規模・リードソース・エリア・商談の性質といった要因が考えられるでしょう。これらを踏まえてどのような分析ができるか考え、それに適した入力項目を設計してください。
企業情報をリッチ化し、提案作成の工数を削減
企業情報に関しては、スピーダや帝国データバンク、バフェット・コード、Papattoクラウドなどの外部データベースを活用し、APIでSFAに企業情報を付与すると、分析するときにたいへん便利です。
ちなみにDIGGLEでは、SFAに企業情報が作成された時点で、法人番号により外部データベースから情報を取得。「業種」「企業規模」「上場区分」「エリア」「企業属性タグ」といったデータを紐づけて分析しています。
またアポイントを獲得した際には、企業情報や最近のニュース、自社サービス領域における課題の仮説、各種情報ソースとなるURLなどをChatGPT経由でSFAに連携しています。これにより、セールスパーソンが提案の仮説を立てるための情報取得の工数を削減しています。