CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D.パワー ジャパンは、今年で20回目の実施となる、J.D.パワー 2021年日本自動車セールス顧客満足度(Japan Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査の調査結果を発表した。
2021年のスコアの概要は、次のとおり。
- 総合満足度の業界平均スコアは729ポイント(1,000ポイント満点)。
- ファクター別の業界平均スコアでは、「店舗施設・サポート」が731ポイント、「商談」が726ポイント、「契約手続き」が733ポイント、「納車」が727ポイント。
- セグメント別の総合満足度スコアは、ラグジュアリーブランド平均が782ポイント、マスマーケット国産ブランド平均が725ポイント。
2021調査の主なポイントは、次のとおり。
商談時の車の説明方法、実車やデジタル機器の活用が商品の魅力訴求に有効
同調査では、商談中にどのようなツールを用いて車の説明が行われたかについて聴取。回答した割合が高い順に、「カタログ/各種見本などの資料」(77%)、「試乗車」(42%)、「パソコン/タブレット端末などの画面」「展示車」(共に34%)が挙げられ、従来の紙をベースにした説明方法だけではなく、実車やデジタル機器を活用した説明が行われていることがわかる。各説明方法別の顧客満足度をみても、実車やデジタル機器を利用した場合の評価は総じて高い傾向にある。
オンライン商談ツールの利用は限定的、今後の普及に向けた活動に期待
新型コロナウイルス感染拡大への対応として、昨年からオンライン商談ツールを部分的に導入するディーラーが見られるようになってきている。「オンライン商談ツール/ウェブ会議システム」を利用した顧客からは高い評価を得ていることもわかった。しかしながら、「オンライン商談ツール/ウェブ会議システム」を利用した顧客は僅か2%であり、また、ディーラーに対する今後の期待として「オンラインでの商談サービスの拡充」を挙げた顧客は6%と、どちらも低い水準に留まっている。オンライン商談は、体感した一部の顧客に高い満足度をもたらしているものの、まだ広く浸透しておらず、その利点が多くの人に認知されていないのが現状と考えられる。
ラグジュアリーブランド(対象5ブランド)
第1位:レクサス(809ポイント)
「店舗施設・サポート」「商談」「契約手続き」の3ファクターでセグメント中最高評価。
第2位:ボルボ(804ポイント)
マスマーケット国産ブランド(対象8ブランド)
第1位:ホンダ、日産(733ポイント、同点)
ホンダは「店舗施設・サポート」ファクターでセグメント中最高評価。日産は全ファクターでセグメント平均以上の評価。
第3位:三菱 (732ポイント)
調査概要
- 実施期間:2021年5月~6月
- 調査方法:インターネット
- 調査対象:メーカー正規ディーラーから新車購入後、2~13ヵ月経過したユーザー(18歳以上)
- 調査回答者数:7,189人