「得したい」よりも「損したくない」気持ちが大きい
営業スタッフ時代、訪問やテレアポに限界を感じていた私は「文章で伝えたほうが良い」と営業方針を変えた。
一生懸命、文章を考えて送る。しかし、思ったほど効果はない。やればやるほど「お客様のことを考えているに、なぜ反応がないのか」とフラストレーションを抱えるように。ずっと光のないトンネルの中を歩いているようだった。
そんなある日のこと。
ネットを見ている際、「今の携帯料金では、あなたはこんなに損をしている」というキャッチコピーが目に入った。宣伝だと思いながらもクリックせずにいられなかった。電話会社の乗り換えはしなかったものの「読まずにはいられない」という気持ちになったのだ。
そこでピンときた。うまく書こうとしたり、メリットを多く伝えようとしたりしても意味はない。
文章を書く際に、「人は得したいという気持ちより、損をしたくないという気持ちが強い」ことに意識を向けるようにした。これが分岐点となり、一気に反応率が上がったのだ。
ここで考えてみてほしい。あなたが受け取る営業メールや案内文で、思わず最後まで読んでしまうのはどんな文章だろうか?
「こんなにお得です」
「一押しの商品です」
「こんなすごいメリットがあります」
悪くはないが、このようなありふれたメリットで心が動くことはない。情報が溢れかえっている中、一瞬だけ見て消去するだろう。
そうではなく、こんな内容が届いたら?
「このままだと痛い目にあいますよ」
「このチャンスを逃すと次はありません」
「今動かなければずっと損し続けます」
そんなニュアンスを感じたとき、人は無視できなくなる。無意識に読み進めてしまうもの。
人は“得をしたい”よりも“損をしたくない”という内容に反応する。これは理屈でも精神論ではない。DNAの中に組み込まれる本能的なことかもしれない。
人間を含め、生き延びてきた生物は“快楽を求める前に危険を避ける”といった判断をしてきたはずだ。現代まで生き残った私たちの脳には、こういった危機回避の本能があるのだろう。
結果を出している営業スタッフはこの心理をうまく利用しているのだ。
