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2025年10月23日(木)12:30~17:45

イチから学ぶパートナーセールス

パートナービジネスに挑戦すべき「ベストタイミング」とは? クリアすべき「表」と「裏」の必須条件

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全社を巻き込みパートナービジネスを成功させる「裏必須条件」

 パートナービジネスに取り組んでいる責任者・実務担当者の方々から、しばしば次のようなお悩みをうかがいます。

「経営層の理解が得られなくて……」

「早期の成果創出を求められていて……」

「直販営業との調整が必要で……」

 これらが常態化してしまうと、「社外のパートナー企業との調整も大変なのに、社内でも、理解を得るためのロビー活動や調整が必要なんて……」と、モチベーションが下がってしまいます。結果としてパートナービジネスの本来の効果を発揮できず、最悪の場合、取り組みが中断されてしまうかもしれません。

 この問題の根源は、パートナービジネス開始後に直面する、組織内部の課題をクリアするための条件が満たされていないことにあります。

 1ページでご紹介した「パートナービジネスを始める前にクリアすべき条件」が表の必須条件だとすれば、これからご紹介するのは、組織文化や協力体制を醸成するための「裏必須条件」です。とくに重要な3つの条件を見ていきましょう。

1.経営層のコミットメントと全社的な認識共有

 第一の裏必須条件は、経営層が「直販営業に加えて、パートナービジネスにも本格的に取り組む」という意思決定し、その意義を組織全体で共有することです。

 メンバーが事業成長へ向かって一心不乱に取り組めるように、経営層や営業統括部長が全社的な支援体制を整えることが不可欠です。

2.パートナービジネスは「中長期戦」と割り切る

 パートナービジネスは、立ち上げから成果が見え始めるまで1〜2年ほどかかります。また、成約までのプロセスも直販営業より時間がかかるため、なかなか成果が出ないことも少なくありません。加えて、パートナー企業の立ち上げ時(オンボーディング時)には、成約よりも将来的な関係構築を目的とする「お付き合い商談」が発生し、成約率が下がるケースもあります。

 ここで短期的な視点で評価してしまうと、メンバーのモチベーションが下がるだけでなく、「成果が出ないから意味がない」と判断されかねません。パートナービジネスは中長期的な施策であることを、組織全体で認識しておく必要があります。

3.社内ルール・オペレーションの整理

 直販営業の経験しかない組織では、直販営業がアプローチする顧客と、パートナー企業から紹介された顧客がバッティングするケースがあります。そこで安易に自社の直販営業を優先すると、パートナー企業や自社の担当者のモチベーションを著しく下げてしまいます。

 とくにパートナー企業のモチベーションを下げてしまうと、よほどのことがない限り、再び顧客を紹介してくれることはありません。結果として、パートナー企業がアクティブ化しなくなってしまいます。こうした事態を防ぐためにも、社内ルール・オペレーションをしっかり整えておくことが重要です。

 なお、社内のオペレーションを整理する際は、バックオフィスや他部門との調整が必要となります。もし全社で「なぜパートナービジネスに取り組むのか」という認識が共有されていないと、余計な摩擦が生まれてしまいます。

 パートナービジネスを立ち上げながら、社内調整やオペレーション整備も同時に行うのは非常に骨の折れる仕事です。社内の協力体制をスムーズに構築するためにも、パートナービジネスに取り組む意義を事前共有しておきましょう。

 自社の成長を加速させたいという思いから、「パートナービジネスを始めたい」と焦る気持ちはとてもよくわかります。しかし、そこでぐっとこらえて、直販営業はきちんと機能しているか、プロダクト・サービスは本当にPMFを迎えているか、冷静に見極めることが重要です。このタイミングを見誤ると、トラブルに発展する可能性が非常に高くなるのです。

 そして、いざパートナービジネスをやると決めたからには、経営陣も腹を括って取り組んでください。

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この記事の著者

Grow up代表 佐々木千穂(ササキチホ)

国内大手SIer、外資系大手企業にてエンタープライズ営業を経験。2016年に都内ベンチャー企業に入社。パートナーセールス立ち上げアクティブ化に従事し、売上数億円を創出。その後、正社員として株式会社ナレッジワークにてエンタープライズセールスに従事しながら、個人でパートナービジネスのコンサルティング事業...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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