勝率10%以下の営業と勝率60%の営業 違いは運なのか?
ハウスメーカーの営業をしていたときのこと。ある年の契約数は4件だった。商談数は約42件。ということは勝率は10%以下、42戦で4勝38敗だ。
どんなに弱いチームでももう少しは勝てるだろう。勝率は低いものの私が売っているのは家。まわりの営業スタッフも同じようなものだった。「まあ、こんなもんなのだろうな」と思っていた。
その後、別の営業所に異動となった。そこにはトップ営業スタッフの先輩がいた。商談数は思ったより多くはなかったが、素敵なお客様をたくさん担当していて、とにかく勝率が高かった。その先輩のお客様を見て「なんであんなに良いお客様ばかりなんだろう」と羨ましがっていたものだった。
商談は月に2~3件程度。年間30件行くかどうかだ。にもかかわらず契約数は18件。30戦で18勝12敗。勝率は60%。なんと私の6~7倍だったのだ。そのトップ営業スタッフの先輩のお客様はこんな特徴があった。
- 競合(比較している会社)が少ない
- 無茶な要望や無理な値引き要求がない
- 人柄も良く、お土産などを持っきてくれることも
- 新しいお客様を紹介してくれる
といったこと。営業スタッフとしては最高のお客様ばかりだったのだ。その一方、私はその逆だった。
- 競合が最低でも5、6社ある
- 無理な条件を言われる
- 紹介は皆無
私が担当していたお客様は厳しい人が多いように感じた。「営業ってなんか不公平だな」と思いながら活動をしていたものだ。先輩のお客様を見て「あんな良いお客様ばかりだったらオレだって結果を出せるさ」と妬んでいた。
本当に先輩はラッキーで私はアンラッキーだったのだろうか?
そうではない。先輩は足を引っ張るお客様とは付き合わず、良い関係を構築できるお客様しっかり選んでいた。ようするに“勝てるお客様”をしっかり見極める“選球眼”を持っていたのだ。