リード数は10倍に! インサイドセールスの立ち上げに挑む
イノーバとの協業によって、MAツールの効果的な活用や、コンテンツ戦略の強化が進められた。イノーバはダイキンのマーケティング戦略を支援する中で、ウェブサイトの改善にも深く関与し、顧客が検索するキーワードに基づいて最適化することで、より顧客のニーズに応えるコンテンツの提供を目指した。
顧客が必要とする情報の迅速な提供にも注力した。検索ニーズに合わせたコンテンツを展開し、コンテンツ内でホワイトペーパーのダウンロードを促す。ホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーの個人情報を獲得することで、見込み度合いの高いユーザーに効率的にアプローチできるようになった。小林氏は「ウェブサイトの導線の整理と情報の拡充を通じて、適切なタイミングで適切なフォローができるようになった」と振り返る。
そして、情報提供を通じてつながった顧客との関係を深める施策として、メルマガの活用も推し進めた。
「対面営業の場合は、有益な情報を提供できる企業の絶対数が限られていました。メルマガを活用することで、多数の顧客に対して1社1社にパーソナライズされた情報を提供でき、『役立つ情報を提供してくれるダイキン工業』というイメージを持ってもらえるようになったのです」(小林氏)
とくにウェブサイトの改善とMAツールの活用がシナジーを生み、リード獲得数は10倍に増加している。
さらに、ダイキン工業の営業活動を大きく変革した要素が「インサイドセールスの導入」だ。従来の対面営業では、すべての見込み顧客に対して個別のアプローチを行うことは非効率だったが、インサイドセールス部隊が非対面でのフォローアップを行うことで、より多くの顧客に効率的にアプローチすることが可能になった。
「対面営業は信頼関係の構築において非常に有効ですが、インサイドセールスの導入によって、接点を持つことが出来た見込み顧客に対して迅速かつ的確なフォローアップができるようになりました」(小林氏)
また既存の顧客に対する効果についても、「これまでは営業担当者1人ひとりが多くの顧客を抱えており、フォローアップが不十分な場合もありました。しかし、インサイドセールスを活用することで、顧客の状態に応じたタイムリーなアプローチが可能となり、顧客との関係をより深めることができたのです」(小林氏)と具体的に語った。
加えて、インサイドセールス経由で生の顧客情報を直接獲得できるようになり、製品サービスの改善プロセスが早くなるという副産物も得られた。フィードバックを迅速に収集し、それを基にプロダクトの改善を図ることで、顧客からの信頼も高まっている。
「どの企業でも担当者同士では、お客様に一貫した対応を届けることが必要だという認識があるはずです。しかし、いざ複数の部門間でそれを実現しようとすると、難易度は高い。インサイドセールスが両者のハブとなることで、1社1社のお客様の状況をより正確に把握できるようになり、一貫した体験の提供が実際に顧客満足度につながっています」(小林氏)
さらに顧客の声をより素早く収集できるようになり、製品サービスの改善に反映することも可能となった。フィードバックを迅速に収集し、それを基にプロダクトの改善を図ることで、顧客からの信頼も高まっているという。