IT部門に「警察官ではなく相談員になってもらった」
──おふたりにとって、それぞれの組織はどのような存在ですか。
小山 「会社を良くするための仲間」だと思っています。営業の方は取引先と直接接点を持っていて、顧客を第一に考えている。一方で、私たちはシステムの技術や工数を考えなければなりません。ぶつかることも当然ありますが、目指すところは一緒です。
そのため、難しい要望をもらった際も、真因を知ることが大事です。「なぜそれをやりたいのか」「やらなかったらどういうことが起きるのか」を詳しく聞いて、いくつか提案をしてフィットするものを採用するというコミュニケーションをとっています。
佐藤 お互いにリスペクトしていますよね。システム部は全社の仕組みを俯瞰的に見ているので、私より会社全体の課題に詳しいと思うんです。それを乗り越えるノウハウを持っているので、ある意味「社内コンサル」のような存在で、頼りにしています。
小山さんにも「警察官じゃなくて相談員になってください」とお願いしていました。小山さんが徹底的に寄り添ってくれたことで、メンバーも抱えている課題を隠さず言語化して、システムに反映することができたのだと思います。
──営業部門としては、今後システムを通してどんなチャレンジをしていきたいですか。
佐藤 取引が多様化する中で、経理の正確性・透明性が求められる時代に来ています。今のシステムで売上の分類はしやすくなったものの「この売上はどの種別で計上するべきか」という1つひとつの判断が難しい。そこでAIやチャットボットなどが、その判断を補助してくれるといいなと思って、相談しています。
──最後に、BtoBの営業部門でIT部門と一緒にシステムをつくろうとしている読者に、メッセージをいただけますか。
小山 社内でITを活用する時、手段であるテクノロジーに目が向きがちです。そうではなくて、「どうすれば業務課題を解決できるか」という上流概念が大事だと思います。ITで何かをつくり始める前に、その点を明確にすればプロジェクトも成功に近づくのではないでしょうか。
佐藤 営業のメンバーには、なぜシステムをつくる必要があるのか、組織の目標や思想をきちんと伝えること。また、当社の場合はIT部門のメンバーが業務について深く理解してくれていたことで、ここまで良いシステムができたのだと思います。部門同士の相互理解は重要です。
そのためにも、IT部門のメンバーにお願いしたのは、「素人でもわかる言葉で説明してもらうこと」。お互いの知らない言葉を、嫌がらずに丁寧に説明することでお互いに理解が進みました。そういった言葉の問題も大きなポイントだと思います。
──あらゆる部門間連携にも活かせる関係づくりについてうかがえました! 本日はありがとうございました!