マーケと営業の壁を超えOneCRMを実現
「うちには合わない」はもう通用しない
──実際の支援事例についても教えてください。
マーケティングと営業の間に壁があり、機能が分断していた企業のご支援に入りました。その際は、マーケ責任者・営業責任者のコミュニケーションの仲介もしつつ、「あるべきKPIの設定」「MA・CRM・SFAのあるべき姿」を議論しHubSpot導入支援を行いました。これにより我々の理想としている「OneCRM」が実現でき、売上(KGI)や有効商談数(KPI)も伸ばすことができています。
マーケティングと営業の共通指標が見えやすくなることで、顧客の理解が進み、良い成果を出せることはやはり多いため、このようなアウトカムを得てもらうことは大切にしています。これは比較的大規模な企業の事例でしたが、HubSpotは無料版から使い始めることができるため、中小企業はもちろん、数人規模の組織から導入にチャレンジできます。やりたいことが増えてからも、月2~3万円でいろいろなことができる。活用する人数が増えれば当然金額は上がりますが、数百人規模になっても、リプレイスをせずに同じツールを活用できるのはとても良いところだと思っています。
──幅広い企業で活用できるのは魅力的ですね。マーケティング・営業組織の変革、DX顧客理解において、CRMが中心的存在を果たすのは間違いないと感じるのですが、それ以外の支援を含めてFLUEDさんの今後のチャレンジについてうかがえますか。
たとえば、「FINDFOLIO」という自社開発のツールも提供しています。これは、もともとお客様の改革支援の過程で、法人情報や企業情報の付与を当社がBPOで提供していたものをSaaS化したものです。1社のお客様の課題を掘り下げていくと、実はほかの企業様も同様の課題を抱えているケースが多い。このように自分たちがやってきたことをSaaS化するような取り組みを行っています。最近つくったのは、CRMの中の部署や役職情報をChatGPTで仕分けするツール。これもお客様の課題から生まれました。
加えて、まだ日本に入ってきていないHubSpotとも連携できるセールス・イネーブルメントツールやウェビナー管理ツールといったマーケティングツール、Sales Techの日本での販売にも注力していきたいです。
私自身、それらの情報にキャッチアップするために毎年さまざまな海外カンファレンスや展示会に参加し、現地の方々と直接やりとりをしています。「こんなに便利なのにまだ日本で使われてないのか!」と思えるツールがまだまだたくさんあります。このようなツールを日本で販売して、日本企業の皆さんの支援を加速させたいと考えています。
2024年3月からは、AI議事録ツール「tl;dv(ティーエルディーブイ)」の日本市場における初のパートナーとなりました。tl;dvはZoom、GoogleMeet、Teamsなどで実施した会議を録画し、AIによる議事録や録画情報の生成を可能にします。重要なシーンをクリップした画像やショート動画を生成し、保存することで臨場感、説得力に優れた会議要約を他者と共有できます。もちろん、HubSpot、Salesforce、Notion、Google Docs、Slackなどさまざまなプラットフォームともシームレスに統合できます。
──BtoB企業のDXを実現するために、海外ツールの販売という角度からもケイパビリティを高めていかれるんですね。
海外のツールもかなり取り入れやすい環境になりましたが、「日本の商習慣は特殊だから」「海外のツールは合わない」とおっしゃる方もまだまだ多いです。GDPも下がり続けて、日本の経済が決して良い状況でないのは皆さんご認識のとおりで、「うちには合わない」に甘んじていては、変化できません。
『業務効率化からはじめるBtoB 営業DX BtoB営業もここまでデジタル化できる!』(信長出版)という共著を2022年に上梓したのですが、やはり生産労働人口も減る中で、海外のツールを含めていちばん便利なものを活用していくことは、もう避けられないはずです。今までのやり方や仕組みだけでは成長していけないところにきています。ぜひ、この機会に新しい仕組みでもツールでも良いので、チャレンジしてみていただきたいですね。
──ありがとうございました!