BtoB CXの向上において営業部門が果たす役割
近年、顧客からのフィードバックをもとに「商談が成立しなかった理由」「契約・再契約に至った理由」「解約に至った理由」を探る動きが増加しています。
さらに、顧客が企業を「認知」し、主にオンライン上での「検討」を経て、商談を通じて他社のサービス・製品と「比較」しながら、「契約」するまでの動きと、その後の「導入」「契約更新」までの行動を包括的に把握する動きも進んでいます。
つまり、顧客との重要な接点と関係性を悪化させている要因を洗い出し、顧客ロイヤルティの向上につなげる──顧客体験(CX)を向上させる取り組みが活発化しているのです。この一連のタッチポイントは、カスタマージャーニーと呼ばれることもあります。
そしてBtoB企業において、顧客とのタッチポイントで重要な役割を果たすのは営業部門となります。営業部門は、顧客体験向上の中心的な役割を果たすとも言えるでしょう。
とはいえ、理屈として理解できても、「一体何から始めれば良いのか」「目標とするべきことは何か」「そもそもどういったマインドで進めれば良いのか」という「起点」となる情報は、BtoC企業に比べると比較的少ないのが現状です。この情報不足が、BtoB企業のCX向上の取り組みをさらに難しいものとしているのではないでしょうか。
営業組織が優れたCXを推進していく方法とは、どのようなものなのか。収益と相関する指標であるネット・プロモーター・スコア(NPS)と各接点から、「収益に影響する体験」を特定し、体験の改善を行う必要があります。