BtoBにおけるCX 「重要だが遅れをとっている状態」
ここ数年、顧客の声をもとにCX(顧客体験/カスタマー エクスペリエンス)を改善する動きが活発化しています。世界的なパンデミックやサプライチェーンの混乱などが発生し、先行きの読めない状況に直面した企業が、自社顧客の「生」の声に耳を傾け始めているのです。その貴重な声をもとにオペレーション改善や製品の改良や、イノベーションに挑む企業も増加し、「顧客中心主義文化の企業」への転身は成長のためには必須になりつつあるとも言えるでしょう。
一方で、こうした動きが活発化しているのはBtoC、主に一般消費者向けが中心であるように見受けられます。BtoBの分野においてはCXはおろか、顧客からフィードバックを受け入れる取り組みを実施している企業自体、あまり多くないのが現状ではないでしょうか。
実際、当社クアルトリクスがグローバル全体でBtoB企業における2022年第一四半期時点でのCX成熟度を把握するために実施した調査によると、CXの成熟度の5段階のうち、最初の2段階である「調査」「開始」が、それぞれ35%、42%を占めています。つまり世界全体を見渡しても、BtoBにおけるCXの取り組みはまだ始まったばかりと言えます。
一方で、調査対象企業の内71%が、CXは「重要」または「必須」であると回答しています。その中でも、BtoB企業の60%は「CXタスクフォースが中心となってCX活動を推進している」もしくは「事業全体・複数部署を巻き込んで実施するチームによって運営されている」と回答しています。
ではなぜ、「重要」と考えられつつも、CXの取り組みにおいてBtoB企業は遅れをとっているのか。CXの成熟を妨げるもっとも大きな障壁は何なのでしょうか。前出のクアルトリクスの調査では、この問題に対する答えも出ています。