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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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企業の競争力を高める「営業DX」とは? 日本の営業組織の未来を探る powered by SalesZine

2024年4月18日(木)14:00~15:30

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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数字は人格を表す?知っておきたいレビューポイント フォーキャスティングの勘所を押さえよう(後編)

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 ビジネスの成長過程ではさまざまな課題に直面する。中でもスキルの属人化が原因で生じるパフォーマンスのばらつきは、成長の阻害要因として深刻なものだ。底上げの鍵のひとつは、営業1人ひとりがデータに基づくフォーキャスティング力を身につけることにある。前編では、フォーキャスティングの実践で求められる3つの要素「量」「質」「着地予想」のうち、最初のふたつを中心に解説してきた。続く後編では、前編の最後に紹介したケーススタディから商談の質を高めるためのマネージャーのレビューポイントと、着地予想の要点を解説する。

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ビッグマウスな営業担当者はなぜ失注したのか?

フォーキャスティングの勘所を押さえよう(前編)で紹介した事例

 BtoBでセキュリティ製品を提供する会社の営業担当者が、製造業の顧客にアプローチしていました。担当は中堅でキーマンとの関係づくりを得意にしています。

 1月末の時点で提案、予算、必要性のすべてにおいて顧客キーマンとの確認と合意ができており、残すは「何でも通す」部長の決裁だけだったため、この営業は3月末に受注できるとコミットしていました。

 2月中旬には会食の機会も得て、手応えを感じていましたが、その後の緻密なフォローも怠っており、3月中旬になって、実はそのキーマンから部長への上申プロセスを進めてもらえていなかったことが判明します。

 そこから急いで上申してもらうも、3月下旬に「他の商談を優先するので今期は購入を見合わせたい」との部長からの返事により、来期への持ち越しとなってしまいました。

 ところがそれで終わらず、4月にはそのキーマンが人事異動で転出。5月上旬に新しい担当者から再びアプローチするも、部長からは必要性なしとの判断で、下旬に失注が確定してしまいました。

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 前回は、ある大手メーカーにセキュリティ製品を提案していた商談の失注が確定したところで話が終わりました。キーマンとの会食を終え、1月末に「コミット」と報告していた固いはずの商談が、3月中旬に「ほかの商談を優先するので今期は見合わせ」と言われてしまった。こんなはずではなかったはずです。今回はその答え合わせから始めましょう。私がマネージャーだったら、この営業担当者には次のようなアドバイスをします。

アドバイス①複数のステークホルダーを押さえる

 この営業がアプローチしていたメーカーは、意思決定プロセスの複雑な大企業です。キーマン1人の感触が良くても、複数のステークホルダーを押さえておくべきでした。とくに、決裁権限を持つ役員の支持を得ることが重要です。そうすれば、たとえキーマンが担当を外れることになっても受注できていたかもしれません。

アドバイス②優先度を上げてもらうよう提案価値を高める

 キーマン自身は意欲的だったと思いますが、こちらの期待値に沿うほどの優先度が高まっていませんでした。「来期にはやりたい」というコメントは、リップサービスの可能性もあります。今期に受注するためには、提案内容を見直す必要があったと思います。

アドバイス③“コンペリングイベント”をつくる

 あまり馴染みがない言葉かもしれませんが、コンペリングイベントとは、「顧客にとって購入しなければいけない状況」を指します。この企業の場合、セキュリティ強化の必要性自体は認識していましたが、3月末までにやるための“強い理由”には欠ける状況でした。今期中に購入しないと発生する企業リスクを認識してもらう提案であったり、特価提案することで顧客にとって今期中に購入すべき理由をつくったりすることも必要なアクションです。

アドバイス④コミットに慢心することなく、アクションを継続的に行う

 早い時期に安心してしまい堅実なフォローを怠ったのも問題だったでしょう。確度が高くなってくれば、失注リスクを低減するアクションが必要になりますが、キーマンとの会食以降、この担当者は目立ったアクションをとっていません。キーマン以外に会いに行く時間はあったはずですが、待ちのスタンスのままでした。

アドバイス⑤「理想的な顧客プロファイル」との合致度を確かめる

 そもそも、セキュリティ製品を売る相手として適切だったかも見直すポイントかもしれません。仮に金融業の方が理想的な顧客プロファイルの商材だったとしたら、自分のテリトリーだからと製造業に提案しても商談の成約率は高くはならないでしょう。当初の営業戦略に立ち返り、適切な顧客セグメントに適切な商材を販売していくべく、営業リソースの割り当てを考える必要性もあります。

アドバイス⑥営業担当の特性を押さえる

 これは担当者ではなく、マネージャーの反省点です。この担当者のフォーキャスティングは楽観的な傾向があることを加味しておく必要があったでしょう。実際に、このケースのように楽観的な「ビッグマウス担当者」もいれば、いつも慎重な「コンサバ担当者」もいます。営業担当ごとの性格は個性であり変えられませんが、個性に合わせたコーチングはできたはずです。

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マネージャー全員のアドバイスレベルを合わせよう

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この記事の著者

Xactly株式会社 代表取締役社長 福眞総一郎(フクマソウイチロウ)

1977年生まれ。慶應義塾大学卒業後、日系製造業での営業経験を経て2003年日本IBM入社、金融機関担当営業として従事。米国本社勤務を経て2012年にヴイエムウエアに入社。担当営業、金融営業部長を経てエンタープライズ営業統括本部執行役員として国内大手企業のITインフラ、アプリ領域の変革をリード。20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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