意思決定の質を上げ、営業組織の悪循環を好循環へ
こうした背景のもと日本進出を果たしたXactlyは、データドリブンでトップラインの持続的成長を支援することを目指す。「とくに昨今はコロナ禍で営業目標を達成できず、営業予測に自信がないというお客様からの相談が増えている」と福眞氏が話すように、直感や経験、根性に頼るこれまでのやり方では結果が出ずに悩む営業組織が増えている。Xactlyは従来の方法論にインテリジェンスの力を加え、意思決定の質を向上させるという。
日本に先行してレベニューインテリジェンスやRevOps(レベニューオペレーション)の領域が盛り上がる米国では、実際に売上目標の達成率や収益性の向上、売上成長スピードの向上といった定量成果が明らかになっている。ガートナー社のレポートによると、2025年までにグローバルで全体の65%がデータドリブンな営業組織になると予測されており、日本でも同様の動きが始まっていくことは間違いないだろう。
では実際に、Xactlyは日本の営業組織にどのように寄与していくのだろうか。福眞氏はXactlyのサービスが活きるシーンを売上創出のPDCAサイクルに当てはめ、日本の営業組織が各プロセスで抱えやすい問題点を指摘した。
リソースの割り振りと売上予測を立てる「計画」のプロセスでは、多くの営業組織が過去の経験や、それに依拠する直感をもとに売上目標やリソース配分の計画を立てている。その結果、成長領域に適切なリソースを割り振ることができなかったり、偏りのある人員配置となってしまったりするリスクが生じやすい。
「実行」のプロセスでは、SFAやCRMを活用する企業も増えているが、これらのツールも顧客や商談データのシェアや可視化といった使い方にとどまっている。このデータを活用して売上成果までつなげようとするアクションは少なく、結果、SFAやCRMを導入していながら、売上の未達や下方修正が頻出することも多い。
そして「評価」のプロセスでは、評価の不公平さの問題を指摘する。客観的で公平な評価がされず、成果に応じた報酬がないと感じれば、営業人材のモチベーションは下がり、離職につながるリスクが高まる。離職が続くと残されたメンバーも穴埋めに苦労することになり、営業組織の悪循環が加速する。
このような現状に対して、データドリブンなアプローチを取ることで持続可能な収益成長モデルを実現し、稼ぐ力の好循環を生み出せる点がXactlyの特徴だ。営業戦略に沿って最適なリソース配置ができ、営業キャパシティが最適化される。そして、確実な営業の売上予測に基づいた商談管理が可能になる。さらに、営業モチベーションも、成果に応じた適正な評価と報酬で最適化される。福眞氏が「最後は結局、人が重要」と話すように、成果を上げた人に適正な評価で報いることは、売上創出サイクルの好循環を生むポイントと言えるだろう。