売上予測を武器にXactlyが今、日本に進出する理由
Xactly(エグザクトリー)は米国カリフォルニア州のサンノゼで2005年に創業され、ガートナーのマジック・クワドラントのセールスパフォーマンスマネジメントの領域において7期連続でリーダーとして選出されているSaaSプロバイダーだ。“エグザクトリー”と読む社名のとおり、売上予測をはじめとする提供価値の“確かさ”を武器に、全世界1,200社以上で導入されている。
売上予測、営業計画、報酬管理の各種機能をもつXactlyのサービスは、予測可能で持続的な企業収益を生み出すことから、「インテリジェント・レベニュー・プラットフォーム」と呼ばれる。米国ではすでにあらゆる業種で導入が進んでおり、むしろExcelなど手作業を必要とする状態のまま売上予測を管理する営業組織のほうが減ってきているという。
創業から16年を迎えるXactlyだが、実は2021年末に日本進出を果たしたばかり。満を持してこのタイミングで日本進出をすることになった理由について、福眞氏は3つの理由を挙げた。
ひとつは、収益性の向上が日本企業における喫緊かつ最大の経営課題として如実になってきている点だ。福眞氏は「Xactlyはまさにトップライン(売上高)とマークアップ率(原価に対する利益の割合)の向上を伸ばすソリューションとして日本に大きく寄与できる」と語る。
一方、労働人口は減少している。終身雇用からジョブ型雇用への転換という機運もあるなか、柔軟な雇用形態や報酬体制でしっかりと社員に還元する仕組みづくりが求められている。報酬管理にも強みをもつXactlyは、こうした日本の現状とも親和性が高い。
さらに、日本においてDXの取り組みやSales Tech導入が広がっていることもXactlyの日本進出を後押しした。いまや日本でも多くの企業が顧客データ・営業活動データの一元化を目指し、SFAやCRMを導入するようになり、SFAとの機能連携が必須なXactlyにとって、日本での素地が整ったというわけだ。
意思決定の質を上げ、営業組織の悪循環を好循環へ
こうした背景のもと日本進出を果たしたXactlyは、データドリブンでトップラインの持続的成長を支援することを目指す。「とくに昨今はコロナ禍で営業目標を達成できず、営業予測に自信がないというお客様からの相談が増えている」と福眞氏が話すように、直感や経験、根性に頼るこれまでのやり方では結果が出ずに悩む営業組織が増えている。Xactlyは従来の方法論にインテリジェンスの力を加え、意思決定の質を向上させるという。
日本に先行してレベニューインテリジェンスやRevOps(レベニューオペレーション)の領域が盛り上がる米国では、実際に売上目標の達成率や収益性の向上、売上成長スピードの向上といった定量成果が明らかになっている。ガートナー社のレポートによると、2025年までにグローバルで全体の65%がデータドリブンな営業組織になると予測されており、日本でも同様の動きが始まっていくことは間違いないだろう。
では実際に、Xactlyは日本の営業組織にどのように寄与していくのだろうか。福眞氏はXactlyのサービスが活きるシーンを売上創出のPDCAサイクルに当てはめ、日本の営業組織が各プロセスで抱えやすい問題点を指摘した。
リソースの割り振りと売上予測を立てる「計画」のプロセスでは、多くの営業組織が過去の経験や、それに依拠する直感をもとに売上目標やリソース配分の計画を立てている。その結果、成長領域に適切なリソースを割り振ることができなかったり、偏りのある人員配置となってしまったりするリスクが生じやすい。
「実行」のプロセスでは、SFAやCRMを活用する企業も増えているが、これらのツールも顧客や商談データのシェアや可視化といった使い方にとどまっている。このデータを活用して売上成果までつなげようとするアクションは少なく、結果、SFAやCRMを導入していながら、売上の未達や下方修正が頻出することも多い。
そして「評価」のプロセスでは、評価の不公平さの問題を指摘する。客観的で公平な評価がされず、成果に応じた報酬がないと感じれば、営業人材のモチベーションは下がり、離職につながるリスクが高まる。離職が続くと残されたメンバーも穴埋めに苦労することになり、営業組織の悪循環が加速する。
このような現状に対して、データドリブンなアプローチを取ることで持続可能な収益成長モデルを実現し、稼ぐ力の好循環を生み出せる点がXactlyの特徴だ。営業戦略に沿って最適なリソース配置ができ、営業キャパシティが最適化される。そして、確実な営業の売上予測に基づいた商談管理が可能になる。さらに、営業モチベーションも、成果に応じた適正な評価と報酬で最適化される。福眞氏が「最後は結局、人が重要」と話すように、成果を上げた人に適正な評価で報いることは、売上創出サイクルの好循環を生むポイントと言えるだろう。
正確な“ギャップ”の予測は売上目標達成への近道
これらの一連の解決策のうち、日本における第一段階としては売上予測ソリューション「Xactly Forecasting」を提供する。先述のとおりSFAの普及が始まっている素地を活かし、そこにプラスすることで成果ドリブンな組織への変革を支援する。
売上予測と言っても、「予測は結局売上に直結しない」と思われることもありそうだが、福眞氏は「正確な予測こそ、売上目標を達成するための近道」だと強調する。たとえば、次のグラフのように、最終的に生じうるギャップが期初に見えていれば、それを最小化するためのアクションを検討し、かつそのアクションが本当に有効かどうかも早い段階で検証できる。重要なのは、同じことが期末になってわかっても「時すでに遅し」という点だ。
期初にギャップを予測できていれば、そのギャップを埋めるための注力案件を決めたり、そのほかの案件の確度を見極めたり、起こりうるリスクを共有しておくこともできる。また現時点の数字だけではなく、その数字が過去からどのように変化してきているかを時系列で把握することも重要だ。Xactlyはこれらを客観的に、誰から見ても明らかな数字として提示する。
これに対して日本では、未だにExcelが多用されている。SFAを導入している場合にも、複数の画面を駆使してExcelにまとめ、最終的には会議などで売上予測を立てる営業組織が多いだろう。これは単に労力がかかるだけでなく、先手先手の予測が大事な場面で時間を要してしまい、事業成長のスピードという観点でも大きな問題がある。
こうした現状を解決するべく、Xactly Forecastingを使うと、SalesforceやMicrosoft Dynamics 365などのSFAと容易に連携して、売上予測と現状の着地予測のギャップを埋めるために必要なあらゆる情報を可視化できる。注力すべき案件や数字の推移については、AIの力で客観性を担保できる。「これまで頼ってきた直感や経験を否定するものではなく、そこにXactlyをプラスすることで、一層の正確性を担保できる」と福眞氏。この観点で、ユーザー独自の目線をツールに反映させる機能もある。
Xactly Forecastingはすでに提供可能だが、順次、報酬管理や営業計画のソリューションの提供も見据えているXactly。持続的な企業収益を生み出すインテリジェント・レベニュー・プラットフォームを普及させ、日本企業の収益性向上に貢献していくことを目指す。
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