優れた顧客体験を提供するうえで注力している3つのポイント
Sync Upチームでは、毎週ビジネス側・開発側の全員が集まってミーティングを実施し、セールスやカスタマーサクセスから共有された「顧客からの要望」に対して、「なぜそのような声が上がっているのか」「どうすれば解決ができるのか」が話し合われている。これは、飲食店経営者の声を製品やサービスに素早く反映する仕組みとして取り入れられているのだという。
同社が優れた顧客体験を提供していくために意識している「視点」として、次の3点が語られた。
1. 「顧客とは?」を明確化
ペルソナが定まり、メンバー全員で共通認識が持てるようになれば、顧客の課題感がクリアになるほか、そして顧客への価値提供に向けたビジョンが明確になるため。
2. 役割にグレーゾーンを設ける
あえて役割を明確化させないことで、メンバーに対して「役割を超えた職務に関与する余白」を残す。これにより、多角的な視点で顧客と向き合えるようになり、顧客理解が進むことがメリットとして語られた。
3. 見るのは数字だけではない
KPIなどの数字以外にも、問い合わせを受けた顧客に対して自身から電話をしてみるなど、お客様1人ひとりをしっかりと観察する事が大切であり、そうした取り組みが顧客体験を創出・修正するきっかけとなる、と山本氏は説いた。
Sync Upチームが3つの取り組みを推進する際のプラットフォームとして機能するのがHubSpotだ。山本氏は「今はHubSpotがないと業務遂行が難しい。全員が1日1回以上はアクセスするような基幹システムになっている」と語っている。
最後に、亀山氏はセッションを総括したうえで、「買い手が売り手よりも力を持つ時代になり、あらゆる体験の集積によって形づくられる顧客体験こそが、企業の競争力の源泉となっている。昨年からのコロナ禍はその傾向に拍車をかけ、売り手は買い手の変化に対応することを求められている」と改めて主張し、次のとおり論点をまとめ、セッションを締めくくった。
「顧客体験の向上は1部門だけで取り組めることではなく、組織横断で取り組むことが必要。そこで重要になる要素が、顧客体験に関する価値観を定義し、組織に根づかせるための『アート』と、実際に優れた顧客体験の提供に取り組むべき『サイエンス』だ。どちらが欠けても、長期的に変化に対応しながら優れた顧客体験を提供し続けることはできない。みなさまには、チーム、戦略、システム、動機づけの4つの連携を通して顧客コミュニケーションの摩擦を減らし、優れた顧客体験を提供して欲しい」(亀山氏)
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