メンバー育成にも活用可能 営業がお客様に向き合う時間を生む
――営業活動の効率化を図ることができた結果、営業担当の皆さんの働き方も変わってきていると感じますか。
はい。現場からも、業務効率がすこぶる良くなっているというフィードバックを受けています。先ほどご説明したアポイントの自動化はいわゆる「ムダな架電」をなくせますから、当然ながら業務効率化に直結します。
もうひとつのメリットが、これまでOJTだった部分を代替する役割を果たし、メンバーのオンボーディングや育成にも活用できることです。Sales Docに資料とセットで「この資料はお客様にこういうふうに説明してください」とか「この資料のここを更新しました」という説明コンテンツを入れることができるため、それを見れば新卒でも、中途入社のメンバーでも早期に立ち上がるようになっています。
――今後Sales Docの提供を通して、どのような価値を営業組織に届けていきたいと考えていますか。
まずは、外部ツールとのAPI連携を増やしていきたいです。現在は SalesforceとAPIで繋がっていますが、ほかの営業支援ツールともどんどん連携していきたいですね。また現在の機能は主に資料送付後の動きを追っていくものですが、今後は機械学習を使ってサジェストする機能の実装にも力を入れたいと考えています。黙って見ていればPDCAのA(アクション)のところまで勝手に提案してくれるツールにしたいなというイメージです。
また、セールス資料を動画に差し替える動きが大手企業を中心に活発になってきている動向を受け、送った動画の視聴履歴や離脱率を追える「動画閲覧トラッキング」機能を先日リリースしました。動画はやはり伝えられる情報量が多く、提案資料を動画に差し替えるトレンドは続くと思います。
今後もさまざまな機能を提供していきたいと考えていますが、大切なのは、効率化によってお客様のことを考える時間を増やすことです。どれだけオンライン化が進んでも、営業担当者にとっていちばん大切なのはお客様と向き合っている時間ですから、その時間を生み出すために自動化できるところは自動化していこうという考え方ですね。
――さいごに、内田さんにとって営業資料とは。
冒頭の話に通じますが、BtoBの新規営業において、営業資料は間違いなく顧客接点の第一ステップを担います。プロダクトやサービスがどれほど良くても、一方的な説明資料が送られてきて「ん?」と顧客が引っかかり、それだけで商談の機会を逃してしまっているケースは往々にしてあると思うんです。皆さんが認識している以上に営業資料が重要であるということは、これからもしっかり伝えていきたいと思っています。
もちろんSales Docを使っていただけると嬉しいですが、使わなくてもできることはたくさんあります。たとえば、まずは営業資料の PDCAを一度きちんと考えてみること。それも、漫然と良かった・悪かった点を振り返るのではなく、営業資料についていつ誰がどのようなアップデートをかけていくのかを先んじて考えておき、それについてどういうチェックをしていくか、PDCAのポイントまで決めておくことが大切です。
DXという言葉がひとり歩きしてしまっている昨今の状況はあまり好ましく思っていませんが、一方で、テクノロジーを活用することによって営業活動を効率化したり成果を最大化したりできるのは確かです。テクノロジーをきちんと取り入れ、小さくても着実に取り組み始めることは大切で、そのひとつとして営業資料にも注目してもらえるようになれば嬉しいです。
――成果に直結しやすい営業資料のPDCAを今こそ見直してみること、そしてその効率化のためにテクノロジーを使ってみること、営業組織が踏み出しやすい一歩だと思います。本日はありがとうございました!