1961年に創業の老舗企業 1兆円も視野に入る高水準売上をキープ
戦略勝ちと言えるだろう。「おやじギャグ」という評価が大勢だが、それだけにかえって気にもなるし、記憶に残りやすいのも事実。訴求力が高いTVCM「たのめーる」を多くの人が記憶しているのではないだろうか。まずは、大塚商会の成長の軌跡をかんたんに振り返ってみよう。
大塚商会が複写機の販売を目的に創業したのは1961年である。青焼式(ジアゾ式)をベースに感光紙にコピーするのが主流で、現在のように普通紙にコピーできる複写機が出現する前のことだった。つい最近社名が消滅した富士ゼロックスはまだ生まれておらず、リコーは理研光学工業と名乗っていた。前回の東京五輪(1964年)も開催されていなかった。
大塚商会は、複数メーカーの製品を取り扱うマルチベンターとしてスタート。中小零細企業を主なターゲットに、複写機やソフトウェアの販売、ネットワークシステム構築、搬入設備工事などの「システムインテグレーション(SI)事業」を中心にビジネスを展開してきた。
直近3期(18~20年)の売上高の推移は「7,598億円→8,865億円→8,363億円(いずれも12月期)。1兆円も視野に入る水準である。
2000年(3,349億円)比では2倍超、表に示したように2010年との比較でも1.7~1.9倍の伸びである。SI事業に加え、システムの保守サービス「サービス&サポート事業」やホテル運営(熱海伊豆山など)も手がけ、事業規模を拡大してきた。