オンライン化が進んだ先には何がある? 未来の営業で変わること
1年前と比較すると、営業現場もマネジメントも状況が劇的に変化しました。昨年の今ごろは、オンライン商談は一般的ではありませんでしたし、自宅からの営業活動が珍しいものではなくなるなんて、誰が予想したでしょうか。
さらに商談だけではなく、社内の打ち合わせやオフィスそのものもオンライン化も進んでいます。リモートワーク先からZoomをつなぐことでどこからでも会議に参加できますし、オンライン会議システムのブレイクアウトルームの活用で会議室もバーチャル化されました。日に日に新しい概念が入り込み、営業全体のDX推進が一気に加速しています。
では、DXが実現した先の未来はいったいどういったものなのでしょうか。「これから」の営業を次の3つの軸で説明していきます。
- テクノロジーで営業手法の選択肢が増加
- 同化する営業とマーケティング
- それでも、営業の本質は変わらない
テクノロジーで営業手法の選択肢が増加
昨年より徐々に普及し始めている5G通信規格の整備が進むと、テクノロジーがいっそう営業活動に関与してくることが推察されます。現在、電波状態に応じて不安定さが残るオンライン商談も、より安心して使えるようになります。視覚・聴覚のタイムラグもなくなり、オンラインであっても、対面で直接顔を合わせているときと変わらない快適さに近づいていくでしょう。
そして今後は、「対面営業以上にオンライン商談のほうが得意」という営業スタッフが現れることも予想されます。従来のSales Techは、営業現場での利用というよりも、SFAやBIのように営業活動の結果を可視化するタイプのツールが多かったのですが、今後は営業現場でリアルタイムに活用できるツールの普及が推測されます。
加えて、従来いわゆる「コミュ力」に長けたタイプが圧倒的に有利であった営業活動ですが、今後はツールやデータを駆使したデータドリブンな営業スタイルも台頭してくるでしょう。クロージングや対面コミュニケーションが得意ではなく、営業成績が上がりづらかった営業スタッフも、オンライン主体の営業方法に切り替えることで活路が見出せるかもしれません。
「対面で会うのもよいが、オンライン上の温度感もちょうどいい」と語るビジネスパーソンにも近ごろよくお会いします。動画やウェビナー、オンラインサロンのような仕組みを個人で活用し、テクノロジーを用いて、新たなコミュニケーションの形をデザインする流れも加速するでしょう。短く軽い商談を数多く繰り返し、情報をコンスタントに仕入れる、オンライン上の「カジュアル商談」などの文化も生まれてくるかもしれません。
いずれにせよ、今までは「営業」として一括りにされていた概念が、「対面営業」と「オンライン商談」というふたつの属性に分岐していくのは間違いないと思われます。インサイドセールスが営業から切り分けられたように、フィールドセールスと並んでオンラインセールスなどの肩書きも一般化するかもしれません。