営業新時代に結果を出しているリーダーとは
一昔前までは”隣の席の営業スタッフ”は敵であり、いちばんのライバルだった。個人の成績がすべて。それぞれ営業スタッフたちは「他の営業メンバーよりも多く契約を取りたい」という競争心を高め合い、それがモチベーションとなっていたこともあった。
営業は数字の世界。契約を数多く取った人、売上を1円でも多く上げた人の勝ちだ。勝ち負けが非常に明確なのだ。となれば当然、結果を出した人が先に出世していく。トップ営業スタッフだった人が結果を出し、次のステップへと進む。自分でも契約を取りながら部下の面倒を見るプレイングマネージャーの場合もあるし、部下の指導だけする専門のマネージャーになることもある。
ただ、私の知っている限り、トップ営業が順調にリーダーになるケースは少ない。残念なことに、部下を持った途端「なんか輝きを失ったな」と感じることが多いのだ。
営業にはさまざまな結果の出し方があり、それぞれの指導方法がある。部下によっては合う、合わないもあるため、指導というのは難しいのだ。
よくスポーツの世界などで「名選手、名監督にあらず」と言われることがある。たしかに苦労した選手のほうが良い監督になるケースは多い。もちろん例外もあるが、天才は本当の意味で凡人のことが理解できない。
ハウスメーカーの営業スタッフ時代のこと。天才的な営業スタッフがプレイングマネージャーとして私の直属の上司になった。典型的な「ハンター型」で、勝手に行動し部下の面倒は一切見ない、というタイプだった。
当然プレイングマネージャーだけが数字を残し、チームメンバーはさっぱりだった。私もまったく売れなかった。このチームはすぐに解体され、この上司はいちプレイヤーに逆戻りした。では次に好例をご紹介する。いま活躍している知人のマネージャーAさん。Aさんは元トップ営業だが、部下を上手に動かし、ダントツの結果を出している。