インサイドセールスとフィールドセールスの対等な関係づくりが成否のカギ
前回からエンタープライズ・インサイドセールス(EIS)導入の必要性について解説しています。今回はその続き、EISの機能面から見た時のメリットについて紹介していきます。前回も提示した、下記の1)-2にあたる部分です。
1)組織の機能面
- 協業型セールスの重要性
- エンタープライズ・インサイドセールス(EIS)のメリット
2)市場や社会の流れから求められる
エンタープライズセールスのもっとも大きな特徴は、関係者が格段に増えることでした。人が増えれば成約までのプロセスが煩雑になるところですが、フィールドセールス(FS)とインサイドセールス(IS)が協業することで、対応のスピードと細やかさが生まれます。
メリット1)商談時に生じた宿題や資料の作成、商談後の質問などをISが担える
対面で商談に臨むと顧客の状況がよりクリアになり、新たな検討事項が生じるものです。また詳細な提案資料や、先方の担当者が上司やほかの部署との交渉に用いる資料の作成など、新たな業務が発生しがちです。これらの業務を、協業型ならISが担うことができます。
それから対面するほどでもないけれども、少し話を聞きたい、軽く提案をしたいという場合もあると思います。そういうときもISの出番です。オンライン会議なども一般的化しつつあるので、顧客側の抵抗感も下がってきているはず。商談の際に「質問あれば、ISの○○が対応します。ここでのお話は共有し、お客様の状況を把握した状態で応じるのでご安心ください」とひと言添えておけば、相手も安心します。
ただし気をつけたい点も。ISとFSは対等な関係です。ISは間違っても、アシスタントではありません。もっとも重要なのはISにFSと同等の裁量を与えることです。もしFS>ISの主従関係になると、ISは自分で決裁できません。何をするにもFSへの確認が必要になってしまい、FSのこなすべき領域が減らせないのです。
加えて顧客側もIS宛に質問したときに「FSに確認が必要です」と言われると、結局頼りにならないと、直接FSに問い合わせるようになってしまいます。FSとISのデュアル体制による安心感を、先方にも納得してもらえるようなコミュニケーションが重要です。