デジタル化の波を受けレンタル事業売上高は25%減
レンタルビデオ店に足繁く通う人が多かった時代があった。ちょっと前のことである。期日までの返却を忘れると割増料金が発生したため、「コンビニと併設して24時間返却できるようにすればいいのに……」との嘆きもよく聞いたものだ。
「ゲオショップ」を運営しているゲオホールディングス(HD)は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開する「TSUTAYA」とともに、レンタルビデオ店の2強を形成。フランチャイズ(FC)主体のCCCに対して、ゲオHDは直営店を増やしながら業績を拡大する戦略を採用した。
だが、AV(音響・映像)ソフトの主役だったビデオカセットはDVDに代わり、さらには映像は空から降ってくるようになってきた。ネット経由による動画視聴が主流になるなかで、ビデオ・DVDレンタルは下降線を辿ることになる。
実際、ゲオHDのレンタル事業売上高のピークは15年3月期。その後は右肩下がりが現実である。19年3月期の売上高622億円は、ピークからおよそ25%減だ。
グループ全体では年々増加している店舗数にしても、レンタルが主体で同社が「メディア系」と分類している店舗は、17年3月期を境に減少に転じている。