ABMは「特定の重要顧客と最良の関係を築くことで、強い顧客基盤を構築し、収益を最大化することを目的にした全社的なマーケティング戦略」と定義される(『法人営業は新規を追うな 重要顧客と最高の関係を築くABM』庭山一郎 著、日経BPより)。
代表的なマーケティング手法にデマンドジェネレーションがあるが、ABMはその進化系と捉えることができる。デマンドジェネレーションは“網”、ABMは“銛”のイメージと表現されることが多い。
デマンドジェネレーションでは、「○○人規模の○○業界の会社」など広範囲にターゲットを定め、ホワイトペーパーやメールマガジンといったコンテンツを配信し、受注確度の高い見込み客のリストを営業に引き渡す。
一方のABMは、定義に「特定の重要顧客」とあるように、ターゲットをバイネームで特定できるところまで絞り込み、その企業に合わせて作成したコンテンツを配信する。「特定の重要顧客」は、基本的には既存顧客の中から選び、「売上の“のびしろ”が大きい順」に絞り込むことがポイントである。
ABMでは顧客情報を分析・活用しながら質の高いコンテンツをつくることが重要となるため、営業とマーケティングが連携して行う「高度なコンテンツマネジメント」と「高度なデータマネジメント」が不可欠である。
また、ABMはこれまで営業とマーケティングの連携に重点を置いて語られてきたが、近年では営業部門とマーケティング部門だけではなく、ものづくり部門やカスタマーサクセス部門なども連携する「全社的なマーケティング戦略」として位置づけられるようになっている。
(監修:シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役 庭山一郎氏)
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