カスタマーサクセス(Customer Success、顧客の成功)とは、顧客に成果を与えるビジネスのあり方・方向性を意味するビジネスアプローチのこと。しばしば顧客に成果を与えるメソッドや戦略、それを実行する部門を示す用語として用いられるが、本来はより上位の概念を示す用語であり「概念」「考え方」と表現されることも多い。
カスタマーサクセスが重視される背景として、購買活動のゴールが「所有」から「利用」による成果へ移行したことが挙げられる。コストに見合う成果を証明できない限り導入・継続が難しくなったことで、とくにBtoB領域において注目されるようになった。
活動の指標は、自社の製品・サービスが単一の場合は継続率を、複数ある場合はNDR/NRR(Net Dollar Retention/Net Revenue Retention、売上継続率)を置くケースが多い。これらはあくまで自社における成果を測る指標であり、顧客の成果を測る指標=「アウトカムメトリックス」は製品・サービスごとに適切なKPIを見極め、ワークフローに組み込む必要がある。
カスタマーサクセスを実行する際、まずは新規顧客に対して操作や活用方法などを説明する「カスタマーオンボーディング」を行う。本来は顧客が求める成果に応じてオンボーディングプログラムを作成すべきだが、そもそも自社のビジネスや製品・サービスが提供する成果を正しく理解できていない企業が多い。カスタマーサクセスに取り組む際は、戦略やメソッドを学ぶと同時に自社の製品・サービスと向き合い、提供できる成果を特定することが求められる。
(監修:合同会社sasket 代表 山田ひさのり氏)
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