Appleと米国セールスフォース・ドットコムは、再設計されたiOSおよびiPadOS専用の主要アプリケーション「Salesforce Mobile App」と新製品である学習用アプリ「Trailhead GO」の提供開始を発表した。
両社は新しいSalesforce Mobile SDKも発表。これにより、開発者はSalesforceプラットフォーム上でiPhoneおよびiPad向けのネイティブアプリを容易に構築・展開が可能となる。Appleおよびセールスフォース・ドットコムは昨年開催されたDreamforce 2018で戦略的パートナーシップを発表していた。
AIを搭載し、iOS専用に再構築された「Salesforce Mobile App」
セールスフォース・ドットコムは、モバイルCRMアプリであるSalesforce Mobile Appを再設計。高度な分析機能や、Siriによるショートカット、Face IDなどiOS専用の機能を備えたEinsteinが搭載されている。SiriとEinstein Voice Assistantの力を活用することでタスク追加、メモ、CRMの更新ができ、誰もが対話形式でモバイル環境で顧客管理などの業務を実行できるようになる。
初のiOSおよびiPadOS専用のTrailhead向けモバイルアプリ「Trailhead GO」
「Trailhead」とは、何百万人ものTrailblazer(トレイルブレイザー:先駆者)が仕事に必要なスキルを学習するSalesforceの無料オンライン学習プラットフォーム。Trailhead GOによって、学習者は時間や場所を問わず、必要なビジネスやテクノロジーのスキルを習得するための、700以上のトレーニングモジュールにアクセスすることが可能になる。
SwiftおよびiOS 13向けに最適化された新しいSalesforce Mobile SDK
新しいSalesforce Mobile SDKは、iOS 13、iPadOS、Swift(Swift UIやパッケージマネージャーを含む)の最新機能のサポートが追加され、コードのコンパイルや配布が容易にできるように。新しいSDKにより、600万人を超えるSalesforceの開発者はiPhoneおよびiPad用のSalesforceネイティブアプリを即座に構築・展開できる。
Salesforce Mobile AppおよびTrailhead GOはApp Storeから無料でダウンロードできる。Apple IDを使用したTrailheadへのサインインなどの追加機能は本年後半に提供予定。
Appleのアプリケーション、マーケットおよびサービスプロダクトマーケティング担当バイスプレジデントであるスーザン・プレスコット氏は次のようにコメント。
「Appleとセールスフォース・ドットコムは、数え切れないほど多くの企業や開発者の仕事のやり方を変革してきました。また両社はiOSとiPadOS専用の新しいSalesforce Mobile Appと、Swiftの最新の発展をサポートするSDKの強化により、ビジネスシーンで利用されるiPhoneおよびiPadのプライバシー機能やマルチタスク処理能力の強化を行うとともに、最高のユーザー体験を提供していきます」
セールスフォース・ドットコムのチーフプロダクトオフィサーであるブレット・テイラーは、次のように述べている。
「Salesforce Mobile Appによって、セールスフォース・ドットコムとAppleは、セールス部門やサービス部門、マーケティング専門家を支援し、AIによる革新的な顧客体験を提供します。また、Trailhead GOによって、より多くの学習者が時間や場所を問わず必要なスキルを無料で習得することができ、今日や明日の仕事に活用することができるようになります」