電通デジタルは、対話型音声AI SaaS「アイブリー」を提供するIVRyと共同で、非対面営業における生産性向上と成果の最大化を支援する「AI-DXソリューション」の提供を開始した。

提供開始の背景
コロナ禍を経て、企業の営業活動は対面と非対面のハイブリッドでの実施が主流となっており、両チャネルによる総合的な営業力強化が急務となっている。そのためには、さまざまな営業活動をデータとして蓄積・分析していくことが不可欠だが、データの要となる営業担当者と顧客との対話においては、手作業で日報を入力するといった追加的な工数負荷が発生している。これにより、現場の生産性が圧迫され、十分なデータ活用に達していないという課題が生じている。
また、そのために、トップセールスの営業担当者のノウハウも属人化し、営業組織全体のスキルを底上げできないケースがある。
これらの課題を解決するために、電通デジタルとIVRyは、アイブリーの対話型音声AIによる電話営業の可視化・高度化と、電通デジタルの営業DXにおけるコンサルティング力を掛け合わせ、AI-DXソリューションを共同で開発した。
特徴
1.営業担当者の入力負荷を削減
アイブリーが電話の通話内容をリアルタイムで記録・要約し、SFA(営業支援システム)/CRM(顧客関係管理)との連携・分析基盤として活用。商談記録も自動で生成することにより、営業担当者の手入力作業を最小化し、商談記録の精度向上と記録漏れの解消を可能にする。
2.営業スキルの高い社員のノウハウを組織全体で再現可能に
電通デジタルの分析力・コンサルティングにより、蓄積した通話データから営業スキルの高い社員の成功要因(トークフロー、キーワードなど)をAIで分析・可視化する。ハイパフォーマーのノウハウを抽出し、マニュアルとしての明文化やノウハウを学習したトレーニングAIの開発を行い、組織全体のトークスキルの底上げを図る。
3.非対面営業の成果最大化を目指したPDCAサイクルの高速化
アイブリーの生成AIが会話データをリアルタイムで分析・要約し、業務改善とナレッジ活用の基盤を作成する。電通デジタルはその分析をさらに高度化し、次のアクション提案やセールスシナリオの改善点をスピーディーにフィードバックするなど、属人的な対応の可視化・分類や、改善指標の提示を行う。KPIマネジメント・ガバナンス強化・品質改善など、再現性のあるPDCAを支援する。
電通デジタル 副社長執行役員 小林大介氏のコメント

このたびのIVRyとの「AI-DXソリューション」開発、提供開始は、非対面営業現場における成果最大化と業務効率化を実現し、クライアントの営業課題の解決に貢献する重要な取り組みだと考えます。営業DXの現場では、お客様との接点の最適化と効率化がますます求められています。本件を通じて、IVRyの先進的サービスと当社のコンサルティングノウハウを融合させることで、企業の営業活動に新たな付加価値を提供し、持続的なビジネス成長を支援してまいります。
IVRy 代表取締役/CEO 奥西亮賀氏のコメント

このたび、電通デジタルとの「AI-DXソリューション」の提供開始について発表できることを、大変嬉しく思います。多くの企業が非対面営業を行う中で、営業担当者の入力負荷や、優れたノウハウが属人化してしまうなどの課題があり、事業成長の足かせとなっていました。当社の対話型音声AI技術により、これまで可視化されていなかった「対話」をデータ化し、このデータに、電通デジタルが誇るコンサルティング力が加わることで、営業現場の「見えない価値」を組織の資産へと変えることができます。両社の強みを掛け合わせ、営業DXの新たなスタンダードを共創し、多くの企業の成長に貢献してまいります。