パーソルイノベーション Reskilling Camp Companyが展開するリスキリング支援サービス「Reskilling Camp(リスキリング キャンプ)」は、「リスキリング施策」に関する定点調査を四半期ごとに実施している。
8回めとなる今回は、定点観測に加えて、2025年度のリスキリング計画やリスキリング施策に対する年間予算、リスキリング施策を積極的に行っている業界のイメージと実施状況を調査し、その結果を発表した。
※本調査でいうリスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義している
リスキリング施策の実施率は約40%の傾向を維持
所属企業において「直近1年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行いましたか︖」と質問したところ、「実施した」との回答は、前回の42.2%に比べて0.4ポイント減少し、今回は41.8%となった。
企業規模別でみると、大企業では「実施した」との回答が63%と、前回の62.4%に比べて0.6ポイント上昇。中小・スタートアップ企業では31.9%(前回34.1%)となり、リスキリング施策は、引き続き大企業が先行して取り組んでいる実態がうかがえる。
業種別でみると、製造業において「実施した」との回答が55.8%と、情報通信サービス業(32.3%)、その他(39.6%)と比較して、半数以上が実施していることがわかった。
リスキリングで重視する上位3位のスキルは 1位「データ活用」、2位「セキュリティ」、3位「ITプロジェクトマネジメント」
所属企業が取り組むリスキリング施策において「重視されるスキルは何ですか?」と質問したところ、全体1位は「データ活用」で36.8%、2位「セキュリティ」で36.4%、3位「ITプロジェクトマネジメント」で32.7%となった。
企業規模別でみると、大企業では1位が「セキュリティ」(42%)、2位が「データ活用」(40.6%)、3位が「ITプロジェクトマネジメント」「クラウド活用」(39.9%)であるのに対し、中小・スタートアップ企業では1位が「データ活用」(33.1%)、2位が「セキュリティ」(31.4%)、3位が「ITプロジェクトマネジメント」(25.6%)という結果になった。
データ活用やセキュリティが重要視されているのに加え、企業規模によらずITプロジェクトを計画・実行し全体を牽引するITプロジェクトマネジメントが重要視されていることがわかった。
また、2025年度のリスキリング施策の中でもっとも注力・強化したいスキルを質問したところ、「ビジネス・BIZ」「バックオフィス」「技術・研究」の3つの職種において、「AI活用(ChatGPT等)」がいずれも約30%で1位となった。
リスキリング施策実施企業の約70%以上が成果を実感
所属企業が取り組むリスキリング施策において、成果実感について質問したところ、「大きな成果が実感できた」との回答は16%(前回13.4%)、「成果を実感できた」との回答は55%(前回56.5%)となり、リスキリング施策の成果を感じている企業は、全体で71%となった。
2025年度のリスキリング実施意向は、全体の約40%が実施予定 そのうち新たに実施予定の企業は約20%
2025年度のリスキリング施策の実施意向について質問したところ、「継続してリスキリング施策の実施計画・意向がある」と回答した人は22.4%、「新たにリスキリング施策の実施計画・意向がある」と回答した人は18%となった。
業種別でみると、製造業のリスキリング実施意向が58.4%と、情報通信サービス業の23.8%に対してて半数を超える結果となった。
2025年度のリスキリング施策の年間予算のボリュームゾーンは500万円以上~1千万円未満が約40%
2025年のリスキリング施策の年間予算を質問したところ、「500万円以上~1千万円未満」(36.9%)がもっとも多く、「500万円未満」(18.8%)、「1千万円以上~3千万円未満」(18.1%)と続いた。一方、年間予算として「1億円以上」の計画をしている企業も8.5%含まれていることがわかった。
業種別でみると、製造業では「500万円以上~1千万円未満」が35.2%、「1千万円以上~3千万円未満」が26.3%という結果になった。通信情報サービス業では「500万円以上~1千万円未満」が29.7%、「1億円以上」が13.5%と、年間予算において差がみられた。
リスキリングに積極的な業界のイメージにおいて、通信・情報サービス業が約40%ともっとも高い結果に
リスキリングの推進に積極的な業界のイメージを質問ところ、1位は「通信・情報サービス業」(36.8%)、2位は「建設・土木・工業・製造業」(27%)、3位は「サービス業」(22%)という結果になった。
実際に実施した業界では、1位が「建設・土木・工業・製造業」(43.9%)、2位が「通信・情報サービス業」(18.6%)、3位が「サービス業」(12.3%)と、イメージ調査の上位3位業界とおおむね一致していることがわかった。
※本設問においては、8つの業種カテゴリに中分類(金融業・保険業/建設・土木・工業・製造業/エネルギー・インフラ・運輸業/卸売業・小売業/通信・情報サービス業/医療・福祉業/サービス業/その他)し再集計
【調査概要】
調査手法:インターネットリサーチ「Fastask」(ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象:全国の企業に勤めている人
調査期間:2024年11月5日~11月9日
対象人数:660名
企業属性:
- 大企業:従業員数が300人以上の企業
- 中小企業とスタートアップ:従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業と、従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業。大企業の子会社やグループ会社は含まれない
- 製造業:電子部品・デバイス・電子回路製造業、情報通信機械器具製造業、電気機械器具製造業(上記に含まれないもの)、その他製造業
- 通信情報サービス:通信業、情報サービス業、その他の情報通信業