Sansanは、三井住友カードにおける営業DXサービス「Sansan」および「Sansan Data Hub」の活用事例とその成果を発表した。 本事例は、自社のビジネスや働き方に変化・イノベーションを起こしたユーザーを表彰する「Sansan Innovation Award 2024」にて、特別賞「Sansan DIGITALIST Innovator」を受賞した。
三井住友カードでは、法人クレジットカードという商材の特性上、日本にある約200万社の企業が見込み顧客になりえると捉え、網羅的にアプローチできる環境を整備するため2020年に営業DXサービス「Sansan」および「Sansan Data Hub」を導入した。属人的かつアナログな営業体制を見直し、名刺交換で得た接点情報をSansanに蓄積するとともに、Sansan Data HubとSalesforceとの連携によって部門横断で活用できる顧客データ基盤を確立することで、営業担当者の工数を削減した。また、営業部門とマーケティング部門との連携強化によって新規顧客の獲得と既存顧客へのアプローチを加速した結果、売上拡大を実現した。
サービス導入の背景
三井住友カードは、クレジットカード業務をはじめ信販事業・トランザクション事業を展開するSMBCグループにおけるペイメント事業の中核企業。キャッシュレス化が進み法人クレジットカードの市場が活性化するなか同社では、データを活用した営業・マーケティング体制の強化に取り組んでいる。
同社ではこれまで、名刺を各担当者が紙のままファイルに保管していたため、社員間での情報共有にも手間がかかるほか、各担当者の人脈や知見を効果的に活用しきれず、見込み顧客に対して網羅的にアプローチできないことが課題となっていた。そこで、営業活動を効率化し、人脈を全社で最大限活用するため2020年にSansanとSansan Data Hubを導入した。
導入後の運用と成果
三井住友カードではSansanによって、担当者が紙で管理していた名刺情報をデータ化し社員間での共有を可能にするとともに、Sansan Data HubとSalesforceを連携し部門横断での顧客データ基盤を構築した。これらによる具体的な成果は、次のとおり。
業務を効率化し、営業担当者の負担を削減
同社では契約リスクを軽減するため、顧客との面談記録を都度作成している。これまでは担当者が所定の書式に手入力したものを、表計算ソフトで管理していた。さらに、顧客から受け取る書類はすべて紙であり、転記が必要な場合もあるため、入力ミスがないかの確認も含めて時間がかかっていた。そこでSalesforceで面談記録を作成できるよう業務フローを見直し、顧客手続きをデジタル化した。それらの情報をSansanの名刺情報に紐づけることで、書類作成や管理工数の削減を実現した。
営業とマーケティングの連携による既存顧客の売上拡大
同社では部門横断の顧客データ基盤を活用し、営業部門とマーケティング部門との連携を強化することで、営業部門だけでは実現できなかった既存顧客への利用拡大キャンペーンを実施している。マーケティング部門が、Sansanに蓄積された接点情報からターゲットを正確に絞り込みキャンペーンメールを配信するとともに、営業部門がタイムリーに商談を設定することで、効率的なアプローチが可能となった。結果、網羅的な営業活動が可能となり売上増を実現した。
マーケティング施策の強化による新規獲得
同社ではSansan Data Hubを活用して整備した顧客データ基盤により、BtoBマーケティング施策を強化した。Sansan Data Hubが自動で付与した情報を基にターゲットを絞り込み、キャンペーンメールを自動配信するとともに、獲得したリードに契約を後押しするメールを追加で自動配信する仕組みを構築した。完全自動で新規の契約促進ができるようになり、マーケティング施策からの成約率向上を実現した。
三井住友カードビジネスマーケティング統括部 グループ長 BtoB マーケティングスクアッド プロダクトオーナー 西山泰幸氏のコメント
当社の営業活動においては、日本全国の企業が見込み顧客となるポテンシャルがある中で、営業の効率化は重要な課題となっていました。営業現場からも、「名刺管理サービスを活用して効率化したい」「出先でもお客様情報を見たい」といった声も多く出ており、Sansanはそうした現場のニーズにも合致するのはもちろん、Sansan Data Hubで既存のシステムとも連携できることが評価のポイントでした。金融業界での導入も進んでおりセキュリティ面での信頼も高いことから、リスク管理の手を緩めることなく営業改革を実現できると考え導入に至りました。
今後は、AIを活用してマーケティング活動をより高度化するために顧客データ基盤をさらに強化していく予定ですが、その肝となるのがデータの正確性です。実際に活用して売り上げにつながるデータ基盤とするために、SansanとSansan Data Hubは今後より重要な存在になると考えています。