ドリーム・アーツは、従業員数1,000人以上の大企業におけるテレワークの現状と課題を把握するため、インターネットによるアンケート調査を実施した。
自身が働く企業のテレワークの現状を聞いたところ、45%が新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにテレワークを導入したことがわかった。個人についても、今回のコロナ禍を機にテレワークを初めて実施した人が半数以上(53%)となった。
「以前からテレワークを導入している」企業が39%あるのに対し、「以前からテレワークを実施していた」従業員個人は22%にとどまっている。また、16%の企業ではまだテレワークが導入されていないほか、25%の個人が「テレワークを実施したことがない」と回答しており、さまざまな要因からテレワークを実施できない企業や個人が一定数存在することがわかった。
テレワークを実施してみて、不便・困ったことがある人は90%に。「オフィスに保存してある紙書類の確認・入手ができない」(46%)、「書類へのサインや捺印がもらえない」(28%)との回答が多く、紙・ハンコ業務がテレワーク遂行の妨げとなる主な要因になっていることがうかがえる。
紙・ハンコ業務に次いで多かったのが、「同僚とのコミュニケーション・雑談が減る」(26%)、「上司や同僚との業務確認の会話が減る」(24%)との回答に。
「紙とハンコ」が必要な業務の現状について尋ねると、「物理的なハンコを使っての捺印を実施している」との回答は55%と半数を超えた。また、会社の都合による紙・ハンコ業務の割合は54%と、法律上の理由(36%)を上回った。
テレワークを実施するうえで、「オフィスで働く以上に生産性が高まっているとは感じていない」と回答した人は65%に。「生産性が高まる」と回答した人からは、「通勤時間がないから時間を有効に使える」、「集中できる」という声が上がる一方で、「生産性が高まるとは感じていない」と回答した人からは、「ネット環境が悪い」「子供や家族の邪魔が入る」「仕事をする環境が整っていないので効率が悪い」「ウェブになり会議が多くなった」「コミュニケーションがとりづらい」といった主張がみられる。
ワークフローシステムが導入されている企業は7割近い(67%)ものの、うち8割以上(81%)に紙業務が残る。その理由としては、「既存のワークフローシステムでは処理できない」(48%)が最多となった。
テレワークの実施におけるITインフラについて、「すでに導入済みで利用しているもの」としてはウェブ会議システムやチャットシステムがもっとも割合が高く、ノートパソコンの支給やBYOD(従業員が個人保有のPCを業務に使用すること)が続く結果となった。
コロナウイルスの感染が収束して通常勤務に戻っても、テレワークを実施したいと回答した人は66%にのぼった。
調査概要
- 調査対象:従業員数1,000人以上の大企業に勤める従業員
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:1,000人
- 調査実施日:2020年4月18日(土)~2020年4月19日(日)