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「働き方改革」実施企業は約9割に及ぶも、効果を実感するのは半数[デロイト トーマツ調査]

2020/02/07 08:00

 デロイト トーマツ グループは、「働き方改革の実態調査2020」の調査結果を発表した。同調査は、2013年より日本企業を対象に実施してきた「働き方改革の実態調査」(旧称:ワークスタイル実態調査)の4回目となる(前回は2017年、前々回は2015年)。

 今回は、「働き方を選択できる社会づくり」の実現を目指すat Will Workと共同で実施。働き方改革を単なる長時間労働是正に留めず、「生産性の向上と従業員の働きがいの向上の両面の実現」と定義し、企業の取り組み状況・組織風土を調査・分析することで、課題解決の方向性を明らかにすることを目的としている。

調査概要

  • 調査期間:2019年10月25日~2019年12月27日
  • 有効回答数:277社
  • 調査項目:

取り組み状況

 「働き方改革を推進中」もしくは「実施した」と回答した企業の割合は約9割に達し、調査開始時の2013年から大幅に増加した。2017年と比較しても16ポイント増加しており、働き方改革の着手はほぼ一巡している。

 また、2割が働き方改革を「実施した」と回答しており、働き方改革を終えたとみられる企業も2017年から倍増。一方で、働き方改革の各目的に対して効果を実感している割合は半数程度に留まる結果となった。

目的

 働き方改革を実施する目的は「従業員満足度の向上・リテンション」(88%)がもっとも多く、続いて「多様な人材の維持獲得、D&I促進」(67%)、「採用競争力強化」「コンプライアンス対応」(50%)が挙がった。人材不足を背景に、企業が従業員の定着と新規採用の強化を目指し、人材目線での働き方改革を推進していることがうかがえる。

施策内容

 企業が実際に検討している施策の上位5位を見ると、「長時間労働の是正」が95%とほぼすべての企業が検討しており、働き方改革関連法の施行などを背景に取り組みが推進されていることがわかる。

 次に、「業務プロセス・ルールの見直し」など生産性向上に向けた既存業務の効率化が挙げられた。「オフィス外勤務の促進」「組織風土改革」「オフィス環境の整備」といった多様な働き方を推進する施策も上位となった。

 そのほか、上位には及ばなかったが、「副業・兼業の推奨」(14%)も昨年から12ポイント増加しており、エンプロイーエクスペリエンスを重視した施策が注目されている。

目的に対する効果実感割合

 働き方改革の自社施策全体に効果を実感している企業が半数いるのに対し、目的別の効果実感割合はまばらという結果になった。残業時間に制限を設けるなどの「コンプライアンス対応」は80%と高い割合が効果を実感しているが、働き方改革の目的としてもっとも挙げられた「従業員満足度の向上・リテンション」は61%、「多様な人材の維持獲得、D&I促進」も54%、「採用競争力強化」は48%と、重視されている目的でも効果がまだ実感されていないものもある。

 ほかに効果実感割合が高い目的には「デジタルトランスフォーメーション推進」や「セキュリティリスク低減」など、テクノロジーを活用したものも見られるが、これらを働き方改革の目的として重視している企業は全体のうちわずかであり、企業によって検討している施策が大きく異なる。

 今回の調査結果から、企業は働き方改革の必要性を理解し取り組みを実施しているものの、施策内容と効果実感割合にはまだバラつきがあることがわかった。同社が定義する「働き方改革の3ステップ」に照合すると、ほとんどの企業が「コンプライアンスの徹底」を終えた段階にあり、一部の企業が「既存業務の効率化」を推進中、という進捗具合になる。

 しかし、本質的な働き方改革の実現には、ステップ1、2で進められた多様な働き方により発現した時間や柔軟性の高い考え方をベースに従業員が自己成長や自己変革を行い、それとともに企業が事業の発展を目指すイノベーションを創出していくことが肝要であり、企業にはこれらを相互に加速する取組みへの着手が求められている。

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